ウェルネス プチアントレ ドッグフードはいぬわーんで中間評価の3つ星と判断されました。
評価:
ウェルネス プチアントレ ドッグフードは全部で6種類あります。以下はその6種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。
また、ここでは6種類を代表してウェルネス プチアントレ 柔らか煮込み チキン ビーフ&サーモン入りを批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。
原材料とラベルの分析
ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。
原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。
原材料:チキン、チキン煮汁、鶏レバー、ビーフ、サーモン、いんげんまめ、パプリカ、タピオカでん粉、調味料、増粘安定剤(グアーガム、カラギナン)、ミネラル類、ビタミン類
赤字は物議をかもします。
粗灰分=3%以下, 粗繊維=1%以下 (推定乾物繊維量=4.5%), 水分=78%以下
測定方法 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
保証分析値 | 6% | 5% | NA |
乾物基準 | 27.3% | 22.7% | 36.4% |
熱量基準 | 24% | 48% | 28% |
このドッグフードの最初の原材料はチキンです。
最初の原材料はチキンです。2番目と3番目がチキン煮汁、鶏レバーなのでメインのタンパク質はチキンと考えていいですね。日本語公式サイトには「肉副産物不使用」と書いてあるのでチキンには鶏冠や足の部分は使われていないとみていいでしょう。
原材料の4番目と5番目にはビーフとサーモンも使われています。ビーフはBSEに関連する特定危険部位を除去した部分が使われています。サーモンはオメガ3脂肪酸も一緒に摂取できます。
2番目の原材料はチキン煮汁です。
鶏肉を煮込んで作った出汁ですね。ウエットフードなので水分量を確保するために使われています。わざわざ出汁にしているのは美味しさのためです。栄養素はほとんど含まれていません。
3番目の原材料は鶏レバーです。
鶏レバーは必須アミノ酸をバランス良く含んでおり、他にもビタミンの含有量が豊富です。特にビタミンAはそのままの形で摂取することができます。
レバー(肝臓)は解毒器官なので鶏に抗生物質・成長ホルモン剤を使用したのか等の情報がほしいですね。公式サイトでは「安全性・品質・栄養価を精査し、厳選されたもの」とあるだけで飼育に関する情報は得られませんでした。
6番目の原材料はいんげんまめです。
いんげん豆は緑黄色野菜でβ-カロテン、食物繊維、タンパク質、ビタミンB群、ミネラル類を多く含んでいます。食物繊維はほとんどが不溶性食物繊維です。
7番目の原材料はパプリカです。
パプリカは色によって栄養素が異なりますが、基本的にβ-カロテン、ビタミンC、Eの供給源です。
8番目の原材料はタピオカでん粉です。
このフードの炭水化物源になりますね。コーンや小麦といった穀物の代わりになるエネルギー源です。タピオカでん粉はグルテンフリーです。
ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません。
ただし、2つの例外があります。
まず、調味料とミネラル類、ビタミン類です。
ペットフード安全法では添加物の一括表示が認められています。また、条件を満たせば栄養強化剤の一部を省略することができます。だから調味料とミネラル類、ビタミン類は省略されていますね。
しかし、英語公式サイト*1の同じ製品を確認してみると省略されているすべての原材料が書かれていたので載せておきます。ただ、アメリカ版製品と日本版製品では異なる場合があるのであくまで参考程度です。省略されている部分は評価できません。
Chicken, Chicken Broth, Chicken Liver, Beef, Salmon, Green Beans, Red Peppers, Tapioca Starch, Natural Flavor, Tricalcium Phosphate, Guar Gum, Potassium Chloride, Salt, Carrageenan, Magnesium Sulfate, Minerals [Ferrous Glycine Complex, Zinc Glycine Complex, Manganese Glycine Complex, Copper Glycine Complex, Sodium Selenite, Potassium Iodide], Vitamins [Vitamin E Supplement, Niacin, Vitamin A Supplement, Pyridoxine Hydrochloride, d-Calcium Pantothenate, Riboflavin Supplement, Folic Acid, Vitamin B12 Supplement, Vitamin D3 Supplement, Biotin], Thiamine Mononitrate, Zinc Oxide.
*1 https://www.wellnesspetfood.com/natural-dog-food/product-catalog/small-breed-petite-entrees-casserole-braised-beef-salmon-green
次に、増粘安定剤(グアーガム、カラギナン)です。
この2つはグアー豆と紅藻類から抽出された天然の増粘安定剤でどちらもウエットフードでよく見かけます。
ただ、カラギナンのほうは今まで安全だと言われてきましたが、昨今ではげっ歯類を用いた動物実験で発ガン性と胃腫瘍の関連性が発見されたため ”危険な原材料” という意見もあります。しかし、人間と犬猫でカラギーナンが原因だと思われる健康被害の報告は見かけないので評価を下げる原材料として扱いません。
ウェルネス ドッグフードの特徴
- 製造工場はドッグフードの安全性を確保する衛生管理手法としてHACCPを導入しています。
- 衛生管理としてバクテリアの繁殖、害虫の混入防止対策、施設内の温度のモニタリング、分析テストを実施しています。
- ドライフードは自社工場で製造しています。場所は米国のインディアナ州ミシャワカです。製造工場は他にも米国のミネソタ州サウスセントポールやオランダのフェーンダムに持っています。
- 原材料の産地は公開されていませんが、安全性・品質・栄養価を精査し、厳選されたものを使用していると主張しています。
- 原材料の仕入先を定期的に訪問し、継続して高品質な原材料の供給できる良好な関係を築いています。
- 小麦、とうもろこし、着色料、香料は一切使用していません。
- 品質管理の一環で取引業者、代理店、小売業者に対して定期的なコミュニケーション実施しています。
- プチアンドレ シリーズのカップに使われているプラスチックはBPAフリーです。
- ウェルネスの製品でウェルネス シリーズはアークランド(ホームセンター)専売品です。
参照:https://www.wellnesspetfood.jp/
https://www.wellnesspetfood.com/
https://www.wellpet.com/
成分と肉含有量の分析
ウェルネス プチアントレ 柔らか煮込み チキン ビーフ&サーモン入りは原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。
しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。
ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が27%、脂質が23%、推定炭水化物が36%と判明しました。
脂質とタンパク質の比率は約83%です。
一般的な成犬向けウエットフードと比較するとタンパク質は平均以下、脂質は平均的、炭水化物は平均以上。
ウエットフードにしてはタンパク質が低いですね。それにタンパク質に対して脂質がかなり高いです。原材料を確認しても、こんなに脂質が高くなるのかな?と疑問に思います。脂肪分を多く含んだ部位を使用しているのでしょうか。
熱量基準では総カロリーの48%が脂質なのに対し、タンパク質はたった24%しかありません。小型犬向けなのを差し引いてもちょっと脂質が高いもしれません。このドッグフードは合う合わないがハッキリ出ると思います。
いんげん豆で総タンパク質を増加させていますが、この程度なら大きな影響は与えないでしょう。それよりも純粋にタンパク質量が低いので、このドッグフードは僅かな量の肉しか含んでいないように見えます。原材料を見るとほぼ肉で構成されているのですけどね。生肉は7割が水分だからかな?
また、このドッグフードは調味料が含まれています。日本語公式サイトだと ”調味料” で省略されているので消費者に対する適切な情報提供の観点から不親切だと思います。ラベルには表示可能面積に限りがありますし、ペットフード安全法で省略が認められているので調味料でいいと思いますが、日本語公式サイトでは内容をしっかり書いてくれていたほうが安心できますよね。英語公式サイトでは書いているのだし。
最終評価
ウェルネス プチアントレ 柔らか煮込み チキン ビーフ&サーモン入りは動物性タンパク質の供給源として僅かな量のチキンを使用した穀物を含まないウエットフードです。星3の評価を下しました。
少しおすすめです。
ウェルネス プチアントレ シリーズはすべて小型犬向けで柔らか煮込みとグレービー仕立ての2種類があります。
柔らか煮込みの4製品はすべて成分値(タンパク質や脂質など)が同じです。
- 柔らか煮込み:(乾物)タンパク質27.3%、脂質22.7%
- グレービー仕立て:(乾物)タンパク質44.4%、脂質11.1% & 16.7%
柔らか煮込みはウエットフードのわりにタンパク質が低く、脂質が高めです。反対にグレービー仕立ては高タンパク、低脂質です。同じプチアントレでも性質が違うので購入前に要確認です。
グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性
アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。
詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。
おわりに
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