ウェルネスコア ドッグフードはいぬわーんで最高評価の5つ星を獲得しました。
評価:
ウェルネスコア ドッグフードは全部で6種類あります。以下はその6種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。
また、ここでは6種類を代表してウェルネスコア 小型犬 成犬用 骨抜き七面鳥を批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。
原材料とラベルの分析
ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。
原材料:骨抜き七面鳥、七面鳥ミール、チキンミール、レンズ豆、えんどう、乾燥粗挽きじゃがいも、鶏脂(ミックストコフェロールで酸化防止)、トマトポマス、粗挽き亜麻仁(オメガ-3脂肪酸源)、チキンエキス、サーモン油(オメガ-3脂肪酸源)、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、パセリ、りんご、ブルーベリー、ケール、スペアミント、チコリ根抽出物、ラクトバチルス・プランタルム※、エンテロコッカス・フェシウム※、ラクトバチルス・カゼイ※、ラクトバチルス・アシドフィラス※、ユッカ抽出物、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、A、B1、パントテン酸、B6、B2、ビオチン、D3、B12、葉酸、C)、ミネラル類(亜鉛タンパク化合物、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、鉄タンパク化合物、硫酸第一鉄、硫酸銅、銅タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸マンガン、亜セレン酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム)、アミノ酸類(タウリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物、スペアミント抽出物)※乳酸菌
赤字は物議をかもします。
粗灰分=9%以下, 粗繊維=5%以下 (推定乾物繊維量=5.6%), 水分=10%以下
測定方法 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
保証分析値 | 36% | 15% | NA |
乾物基準 | 40% | 16.7% | 33.3% |
熱量基準 | 37% | 37% | 26% |
このドッグフードの1~3番目の原材料は骨抜き七面鳥、七面鳥ミール、チキンミールです。
通常であればメインのタンパク質は骨抜き七面鳥に見えますが、実は家禽(七面鳥・チキン)ミールがタンパク質の大部分を占めています。
このカラクリは水分量です。ラベルは重量順で表示されるので水分を多く含んでいる生肉はタンパク質量で考えるとミールより少なくなります。
七面鳥ミールは七面鳥の肉と骨をレンダリングしたものです。チキンミールも同じ考え方です。レンダリングは脱脂粉乳を作るやり方と似ていて、脂肪分を取り除いて水分を飛ばし、粉末化させたものです。
ミールは加工しやすい形ですし、なにより安価です。カルシウムとリンも取れるのでコスパがいいタンパク質源です。
4,5番目の原材料はレンズ豆、えんどうです。
これらの豆はグレインフリーでよく見かける食材です。大豆が遺伝子組み換えで避けられるようになって代替品として見かけるようになりました。レンズ豆とえんどう豆は低GI食品で主に炭水化物源ですが、タンパク質と食物繊維も適度に含んでいます。
6番目の原材料は乾燥粗挽きじゃがいもです。
じゃがいもはデンプン(炭水化物)を主成分とし、エネルギー源として優秀です。また、ビタミンC、カリウムを多く含み、グルテンフリーです。
じゃがいもはタンパク質が多く含まれていませんが、乾燥した状態だと肉の含有量を判断する際に考慮する食材です。
7番目の原材料は鶏脂です。
鶏脂はオメガ6脂肪酸(リノール酸)の供給源です。鶏脂は犬にとっていい香りのするフレーバーでもあります。
酸化防止にミックストコフェロール(ビタミンE)が使われていると書いてくれているのはありがたいですね。省略されていることが多いので。
8番目の原材料はトマトポマスです。
トマトポマスはトマトを絞った後に残る繊維質です。食物繊維はかさ増しの一種ですが、繊維源としては水溶性・不溶性の食物繊維がバランス良く含まれており、トマトにはリコピンが含まれていることから繊維質にも少し残っているので悪くない選択肢です。
9番目の原材料は粗挽き亜麻仁です。
粗挽きされた亜麻の種子は植物由来のオメガ3脂肪酸(ALA)の供給源です。体内でDHA,EPAに変換して使われます。
オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸なので食べ物から摂取しなければいけないものです。
亜麻仁は食物繊維とタンパク質も多く含まれています。
10番目の原材料はチキンエキスです。
鶏肉を加水分解したものです。うま味調味料としてキブルにスプレーして食いつきを良くします。
ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません。
ただし、6つの例外があります。
まず、サーモン油です。
サーモン油はオメガ3脂肪酸(DHA,EPA)の理想的な供給源です。DHA,EPAをそのままの形で摂取できます。
また、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)が多く含まれるほか、アスタキサンチンが豊富に含まれていることから抗酸化作用もあります。
次に、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、りんご、ブルーベリー、ケールです。
抗酸化物質が多く含まれる食材はひとまとめにしました。野菜類はβ-カロテンを豊富に含んだものがたくさん入っていますね。ブルーベリーはアントシアニンが含まれています。
次にパセリ、スペアミント、ユッカ抽出物です。
これらはハーブですね。効き目が強くて使いにくいハーブは入っていません。簡潔に薬効だけ書いていきます。
- パセリ:駆風作用、利尿作用、関節炎の炎症緩和、抗菌作用、
- ユッカ抽出物:消化吸収の促進、関節の炎症緩和、便の臭い軽減
- スペアミント:消化促進、駆風作用、殺菌作用
スペアミントは酸化防止剤にも入っていますね。殺菌作用が目的だと思います。
次にりんご、チコリ根抽出物です。
これらには有用菌(乳酸菌など)を効果的に活動させるための栄養源となる難消化性の水溶性食物繊維が含まれています。リンゴはペクチン、チコリ根抽出物はイヌリンが該当します。所謂プレバイオティクスですね。
次に乳酸菌です。
乳酸菌(ラクトバチルス・プランタルム、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィラス)
乳酸菌はプロバイオティクス(宿主の健康に好影響を与える生きた微生物)と呼ばれるもので乳酸菌飲料やヨーグルトと同じで腸内環境の改善や免疫力を回復させる効果があります。このフードには4種類の乳酸菌が入っていますね。
次にミネラル類です。
ミネラル類(亜鉛タンパク化合物、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、鉄タンパク化合物、硫酸第一鉄、硫酸銅、銅タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸マンガン、亜セレン酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム)
ミネラル類のうち一部の微量必須ミネラルはキレート加工されていますね。"タンパク化合物" と付いているのがそうです。アミノ酸と化学的に結合されて身体に吸収されやすいミネラルになっています。普通のミネラルより価格が高いので高品質のドッグフードでよく見かけます。
最後にタウリンです。
タウリンは心臓や肝臓の機能をサポートするアミノ酸の一種です。体内でメチオニンとシステインを使って合成できるので食べ物から取る必要はありません。
しかし、このフードのメインのタンパク質はミールです。ミールはメチオニンを吸収しにくい形にするのでタウリンを追加しているのは安心できますね。食べ物から取る必要がないとはいえ、不足すると拡張型心筋症を引き起こす原因になりますから。
ウェルネス ドッグフードの特徴
- 製造工場はドッグフードの安全性を確保する衛生管理手法としてHACCPを導入しています。
- 衛生管理としてバクテリアの繁殖、害虫の混入防止対策、施設内の温度のモニタリング、分析テストを実施しています。
- ドライフードは自社工場で製造しています。場所は米国のインディアナ州ミシャワカです。製造工場は他にも米国のミネソタ州サウスセントポールやオランダのフェーンダムに持っています。
- 原材料の産地は公開されていませんが、安全性・品質・栄養価を精査し、厳選されたものを使用していると主張しています。
- 原材料の仕入先を定期的に訪問し、継続して高品質な原材料の供給できる良好な関係を築いています。
- 小麦、とうもろこし、着色料、香料は一切使用していません。
- 品質管理の一環で取引業者、代理店、小売業者に対して定期的なコミュニケーション実施しています。
- プチアンドレ シリーズのカップに使われているプラスチックはBPAフリーです。
- ウェルネスの製品でウェルネス シリーズはアークランド(ホームセンター)専売品です。
参照:https://www.wellnesspetfood.jp/
https://www.wellnesspetfood.com/
https://www.wellpet.com/
成分と肉含有量の分析
ウェルネスコア 小型犬 成犬用 骨抜き七面鳥は原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。
しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。
ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が40%、脂質が17%、推定炭水化物が33%と判明しました。
脂質とタンパク質の比率は約42%です。
一般的な成犬向けのドライフードと比較するとタンパク質は平均以上、脂質は平均以上、炭水化物は平均以下。
レンズ豆、えんどう豆、乾燥粗挽きじゃがいも、粗挽き亜麻仁で総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードは大量の肉を含んでいるように見えます。
最終評価
ウェルネスコア 小型犬 成犬用 骨抜き七面鳥は動物性タンパク質の供給源として大量の七面鳥ミールとチキンミールを使用した穀物を含まないドライフードです。星5の評価を下しました。
とてもおすすめします。
ウェルネスコアは基本的に小型犬向けのフードです。オーシャンフィッシュと高齢犬だけ全犬種向けで他はすべて小型犬向けです。
すべての製品に共通して高タンパク・グレインフリーが特徴です。調べてみたところ乾物タンパク質は37%~42%の間で高タンパクで間違いないですね。
評価は概ねウェルネス穀物不使用シリーズと同じです。ドッグフードでお馴染みのよく見かける食材で作られたオーソドックなフードだと感じました。メインのタンパク質はミールで、穀物の代わりに豆とポテトを使い、野菜と果物は抗酸化作用があるものが選ばれています。酸化防止剤は天然由来のものが使われ、乳酸菌とキレートミネラルでちょっとしたところだけどコストをかけています。
ただ、製品とは別に日本語公式サイトでちょっと気になるところがありました。商品概要ページに「副産物不使用」と書いていません。ウェルネス穀物不使用シリーズでは書いてあったのになぜ書いていないのでしょうか。ウェルネスコアでは使ってるの??と思ってしまいます。まぁパッケージに家禽副産物不使用と書いてあるので問題ないですが、公式サイトを見て批評する側としては書くなら全部に書いてほしいものです。
また他にも「動物性たんぱく質源が主原料 消化の良い骨抜き七面鳥(生肉)、七面鳥ミール、チキンミールを使用」と書いてありますが、間違いですよね。動物性タンパク質が主原料なのはその通りですが、ミールはメイラード反応によってタンパク質の消化率が低下する可能性があります。”消化の良い” はとってつけた言葉ですね。
とはいえ、避けたい原材料や添加物が入っていないのでおすすめできるフードです。
あと、オーシャンフィッシュだけ食物繊維が推定乾物7.8%でちょっと多いです。一般的に5%前後なので便の量や回数が増えるかもしれません。
もしウェルネスコアが思ったより高タンパクだったなと思う場合は、ウェルネス穀物不使用シリーズを検討してみてください。同じような原材料で乾物タンパク質が29%~36%です。
グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性
アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。
詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。
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