ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用 緑黄色野菜入りはいぬわーんで低評価の2つ星と判断されました。
評価:

ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用緑黄色野菜入り
Unicharm Corporation
80g*10個¥880 (2020/3/9 19:00時点 )
※成犬用、減量向け
以下は同メーカーの関連商品です。ペットフードの表示に関する公正競争規約に則っている場合は、総合栄養食の表示とドッグフードが適応する成長段階が併記されています。
重要:大型犬の子犬のためにドッグフードを選ぶ場合は、成長段階が成長期とオールステージに該当していても「大型犬の子犬にとって安全であるか」を確認してください。
ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用 緑黄色野菜入りの原材料
原材料:肉類(鶏胸肉、鶏ササミ)、野菜類(ニンジン、グリーンピース、スイートコーン)、しょうゆ、砂糖、寒天、増粘多糖類、乳酸カルシウム、酸化防止剤(EDTA-Ca・Na)
赤文字は物議をかもします。
粗灰分=1.5%, 粗繊維=1% (推定乾物繊維量=10%), 水分=90%
測定方法 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
ラベル保証 | 7% | 1.5% | NA |
乾物基準 | 70% | 15% | 14% |
※ラベル保証の合計値が100を超えるので熱量基準は省きました。
このドッグフードの最初の原材料は肉類(鶏胸肉、鶏ササミ)です。鶏胸肉はささみに匹敵するほど高タンパクです。ささみは高タンパク・低カロリーの代名詞とも言える食材です。
2番目の原材料は野菜類(ニンジン、グリーンピース、スイートコーン)です。
にんじんはβカロテン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
グリーンピースは炭水化物と食物繊維が豊富です。また、植物性のタンパク質が含まれており、製品ラベルに記載されている総タンパク質量を増加させることができるので肉の含有量を判断するときに考慮しなければいけません。
コーンは有害な成分ではありませんが、炭水化物と食物繊維を除けば犬にとってわずかな栄養しかありません。コーンは安価なかさ増しとしてメーカーが好んで使う傾向にあります。
3番目の原材料はしょうゆです。醤油は塩分量が多いです。食塩は犬にとって必須ミネラルですが、過剰量は危険です。
犬の食塩の致死量は4g/kg [1]です。例えば体重が20kgの犬は80gの食塩を食べると死亡します。ただ、致死量を食べきる前に低用量 (0.5g/kg) の段階から苦しみ始めます。体重が20kgの犬はたった10gの食塩を食べただけで重病になる可能性があります。
大さじ一杯の濃口醤油には約2.6g [2]の塩分が含まれています。超小型犬の犬を病気にするには十分の量です。このドッグフードに含まれる醤油量は不明ですが、醤油は塩分量が多いので避けるべきです。
4番目の原材料は砂糖です。砂糖はグリセミック指数 (食後血糖値の上昇を示す指標) が高いため血糖値に悪影響を与えます。また、健康 (糖尿病、肥満) と歯の問題につながる可能性があります。
5番目の原材料は寒天です。寒天はテングサなどの海藻から作られます。約80%が食物繊維です。保水力が高いのでウェットフードのゲル化剤として使用されます。
ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません。
ただし、3つの例外があります。
まず、増粘多糖類です。2種類以上の増粘剤が使用されて一括表示されているので何が使用されているのか分かりません。
もしカラギーナンが使用されていたら物議をかもします。カラギーナンは紅藻類から抽出したゼラチン状の増粘剤です。今まで安全と思われてきましたが、昨今はいくつかの議論があるようです。ここでは読者が自分で判断できるよう注目を集める意味で赤文字にしておきました。
次に、乳酸カルシウムです。乳酸と炭酸カルシウムから作られます。アメリカ食品医薬品局により一般に安全と認められている(GRAS)食品添加物です。水溶性で吸収されやすいことから、ここではカルシウムサプリメントとして使用されている可能性が高いです。
最後に、原材料リストにミネラルとビタミンの記述を見つけません。これらの必須栄養素はすべて食材によって提供されていると考えられます。
ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用 緑黄色野菜入りの総合評価
ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用 緑黄色野菜入りは原材料だけで判断すると平均以下のドッグフードに見えます。
しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。
乾物基準ではタンパク質が70%、脂質が15%、推定炭水化物が14%と判明しました。
脂質とタンパク質の比率は約21%です。
一般的なウエットタイプのドッグフードと比較するとタンパク質は平均以上、脂質は平均以下、炭水化物は平均以下。
グリーンピースで総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードは大量の肉を含んでいるように見えます。
しかし、このドッグフードにしょうゆ、砂糖が含まれているのが残念です。これらの物議をかもす原材料が評価を下げる要因になります。
ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用 緑黄色野菜入りは穀物を含んでいます。動物性タンパク質の供給源として大量の鶏胸肉、鶏ささみを使用したウエットタイプのドッグフードです。星2の評価を下しました。
おすすめしません。
評価はいぬわーんが推定した肉の含有量、脂質とタンパク質の比率、原材料の品質に基づいて決定しています。

ユニ・チャーム グラン・デリ 国産鶏ささみ パウチ ジュレ 成犬用緑黄色野菜入り
Unicharm Corporation
80g*10個¥880 (2020/3/9 19:00時点 )
グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性
アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。
詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。
おわりに
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ただし、一部のオンライン小売業者 (Amazon・楽天市場・Yahooショッピング) からはアフィリエイト紹介料を頂いています。
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そしてドッグフードの批評を行う際に金銭的な誘惑によって評価を下すことなく、公平かつ偏りのない判断を下すことにも繋がっています。
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リコール等情報
ドッグフードの最新リコールをすべて確認したい場合はこちらの「ドッグフードのリコール等情報」をご覧ください。
以下のリストはユニチャームが過去にドッグフードをリコールした際の情報です。リコール情報は2019年から記録を取り始めています。
- [自主回収] ユニ・チャーム 賞味期限の誤表示(2019年5月21日)
脚注
*1 MERCK MANUAL Veterinary Manual, Overview of Salt Toxicity
*2 cookpad, しょうゆ大さじ1の塩分量