犬は肉食なのか雑食なのか議論はありますが、いぬわーんでは犬のことを肉食寄りの雑食性動物として見ているので高品質の動物性タンパク質が多く含まれたドッグフードに高評価を与えています。
そして以下のようなドッグフードを格下げしています。
- 匿名の肉成分
- 植物由来のタンパク質
- 物議をかもす添加物
- 合成防腐剤
- 平均以下のタンパク質
- 平均以上の炭水化物
ドッグフードの批評方法
いぬわーんのドッグフードの評価方法は2つの事柄を調べます。
- 製品ラベルを調べる
- 肉の含有量を調べる
製品ラベルを調べることで匿名の肉を使った製品や植物由来のタンパク質で含有量を増やしているドッグフードが分かります。
他にも物議をかもす化学物質が含まれているのか判断することができます。
また、製造業者は自社の製品を優れたドッグフードに見せかけるためにいろいろな抜け道を使います。
例えば原材料の分割です。ドッグフードは原則、使用量の多い原材料順から書く必要があるので豆でタンパク質を増加させる場合、エンドウ豆・ヒヨコ豆・レンズ豆・グリーンピースなど名前の違う豆を使って原材料順の低い位置に別々に記入し、あたかも植物由来のタンパク質が少ないかのように装うことができます。
Q.13 原材料名の記載について、順番はありますか。
A.13 公正取引委員会及び消費者庁の認定を受けた「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」では、原材料名の表示は、使用量の多い順に記載すると定められています。ペットフード安全法では、原材料名の記載順序は特に規定していませんが、消費者に対する適切な情報提供の観点からは、原則、多い順に記載することが望ましいと考えます。[1]
そのため製品ラベルをくまなく調べることが動物性タンパク質の含有量を知ることに繋がります。
肉量を調べる方法としていぬわーんでは「乾物基準」と「熱量基準」で製品分析を行っています。
製品ラベルには保証分析として内訳が表示されていますが、これはドッグフードのタンパク質や脂質の含有量を表すのにあまり正確な方法ではありません。乾物基準や熱量基準で表したほうがはるかに正確です。だから保証分析値を元に再計算しなおしています。
乾物基準はドッグフードから水分を取り除いた状態でのタンパク質・脂質・炭水化物を求める方法です。この方法は異なるタイプのドッグフードのタンパク質含有量を比較するのに最適です。
例えばドライタイプとウェットタイプでは水分の含有量が異なり、製品ラベルを見ればウェットタイプのほうがタンパク質含有量が少なく見えます。
しかし、水分を取り除けばほとんどの場合においてウェットタイプのほうがタンパク質含有量が多くなります。
製品ラベルは水分の含有量によって大きく変わるので水分を除いた乾物基準を求めることで異なるドッグフードを公平に比較することができるようになります。
熱量基準は保証分析値から犬猫の修正アトウォーター係数[2]を用いてドッグフードがタンパク質、脂肪、炭水化物として提供するカロリーの割合を計算したものです。Balance ITのGuaranteed Analysis Converterを使用して求めています。
この方法は乾物基準と同じように水分量または繊維量に大きな違いがあるドッグフードを比較することができます。
ただし、ドッグフードのラベル保証には正確な測定値ではなく最小値(繊維、灰分、水分)と最大値(タンパク質、脂質)が表示されるため(ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則によって決まっている)、熱量基準の情報が100%正確になることは決してありません。あくまで推定値となります。
炭水化物は悪なのか
犬は栄養学的に炭水化物を摂取する必要はありません。しかし、犬はあくまで肉食寄りであり、雑食性の側面も持ち合わせているので調理済みの炭水化物をエネルギー源として使うことができます。
炭水化物がエネルギー源に使われるのならばタンパク質は肉や骨などの身体組織、免疫細胞の働きを強化することなどに使えるため一定量の炭水化物は決して悪者ではありません。
製品ラベルの正確性について
製品ラベルを調べる上で気になるのは記載内容が真実なのかです。嘘偽りなく、ドッグフードの中に入っている成分が記載されているのでしょうか。
ペットフード安全法では、ペットフードの名称・賞味期限・原材料名・原産国名・事業者名及び住所の5項目の表示が義務付けられています。[1]
さらに原材料名の省略は加工補助剤を除いて不可能であるため製品ラベルの記載内容は真実だと言えます。
Q.12 原材料名は全て表示する必要がありますか。
A.12 使用した原材料(添加物を含む)を全て記載する必要があります。 ただし、いわゆる加工助剤については表示を省略することができます。[1]
もし製品ラベルを偽っていたら、その製造業者は日本の法律に違反しています。
原材料名の赤い項目の意味
批評するドッグフードの原材料名が赤色で書かれているのは、その成分が「悪い」わけではありません。ただ単に物議をかもしていることを表しています。
成分によっては賛否両論あるものもあり、触れずに見逃すより、触れて物議をかもしていることを知らせ、読者が決断を下せるようにしたほうが良いと考えます。
とうもろこしがいい例でしょう。読者はいぬわーんが最高評価を下したドックフードにとうもろこし含有を見つけるかもしれません。
評価の星が少ないと悪いドッグフード?
いぬわーんの評価星が少ないドッグフードは犬にとって悪い食べ物ですか?
いいえ、おそらくそうではありません。評価の星が悪いドッグフードは必ずしも悪い商品ではありません。
犬に特定のドッグフードを与えたときの健康状態は犬種や個体差によって変わるので予測できません。
いぬわーんではペットフード安全法が規制するラベル情報および肉の含有量に基づいて評価を下しており、評価は犬に与えた後の健康状態とは関係がありません。
評価の星が少ないドッグフードはいぬわーんが製品ラベルから読み取った情報だと評価が悪かっただけで、あなたの犬にとって必ずしも悪い作用を及ぼすわけではありません。
なぜいぬわーんでは意図的に製品ラベル以外の情報をすべて無視するのかについてはドッグフードの批評に関する問題があるからです。
ドッグフードの批評に関する問題
ドッグフードに使用された原材料の実際の品質を判断することは不可能です。
ドッグフードを作成するために行った企業の研究と栄養設計、製造方法と管理方法を把握して批評することはいぬわーんを含め、すべての第三者ではできません。
それにメーカーサイトに書かれているキャッチコピーやマーケティングメッセージをそのまま転載しても、その企業情報は偏った意見であり、読者に誤った安心感を与えることに繋がりかねません。
だからいぬわーんでは製品ラベル以外の情報はすべて無視して批評を下しています。
ドッグフードの種類に応じて星評価は変わりますか?
ドッグフードにはいろいろな種類があります。例えばドライタイプ・ウェットタイプ・ソフトタイプ。
これらの種類に対して批評を下すとき、種類によって星の優劣はありますか?
いいえ、ありません。星の評価を下すときは他の種類と比較することはありません。絶対評価により星の評価が下されます。
ドッグフードを購入して分析していますか?
いぬわーんは個人所有のWeサイトです。そのため数千以上の種類があるすべてのドッグフードを実際に購入してしかるべき検査をすることはできません。
農林水産省でさえも、すべてのドッグフードを検査するだけのリソースは持ち合わせていません。
ドッグフードを実際に購入して検査するのは費用や時間の面から見て不可能です。
いぬわーんは各会社のWebサイトで公開されている情報または製品ラベルに頼って批評しています。
獣医師資格を持っていますか?
いぬわーんの編集者は獣医師の資格を持っていません。
しかし、いぬわーんでは製品ラベルを読むために獣医師の資格は必要ないと考えています。
よく考えてみてください。例えばポテトチップスの製品ラベルを読む資格があるのは医師だけですか?
ドッグフードの製品ラベルを判断するためには、立派な学歴と獣医師の資格を持っていなければいけないと思う方もいるかもしれませんが、「農林水産省 ペットフード安全法 表示に関するQ&A」から一部抜粋すると以下のような文言が書かれています。
- 「犬か猫かが分からないような、「ペットフード」とか「ペットスナック」だけの名称は消費者の誤解を招くおそれがあるので、適切ではありません。[1]」
- 「消費者に分かりやすいように配慮してください。[1]」
- 「消費者に対する適切な情報提供の観点からは、原則、多い順に記載することが望ましいと考えます。[1]」
- 「ただし、わかりにくくなること、一貫性がなくなることにより、消費者の誤解を招くことのないようにしてください。[1]」
上記のことから分かる通り、製品ラベルの情報はすべて消費者が判断できるように設計されています。
そのため、製品表示に関する知識と成分を学ぶ意欲がある者であれば誰でもドッグフードの製品ラベルを読むことができます。
製造業者からインセンティブを受け取っていますか?
いぬわーんは高評価を付ける代わりにドッグフード製造業者から金銭を受け取っていません。詳細については「免責事項」をご覧ください。
脚注
*1 農林水産省,「ペットフード安全法 表示に関するQ&A」
*2 タンパク質3.5kcal/g、脂質8.5kcal/g、炭水化物3.5kcal/gを使用