ピナクル ドッグフードの批評(ドライ)

ピナクル ターキー&パンプキン

ピナクル ドッグフードはいぬわーんで最高評価の5つ星を獲得しました。

評価:

ピナクル ドッグフードは全部で5種類あります。以下はその5種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。

また、ここでは5種類を代表してピナクル ターキー&パンプキンを批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。

原材料とラベルの分析

ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。

原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。

原材料:ターキー、ターキーミール、えんどう豆、えんどう豆粉、ひよこ豆、パンプキン、キャノーラオイルトマト繊維アルファルファ、ナチュラルフレーバー、亜麻仁、サーモンオイル、塩化カリウム、キヌア、塩、海藻、ビタミン(塩化コリン、ビタミンE、ビタミンC、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD3、葉酸)、ミネラル(硫酸亜鉛、硫酸鉄、鉄アミノ酸キレート、亜鉛アミノ酸キレート、セレニウム酵母、銅アミノ酸キレート、硫酸銅、硫酸マンガン、マンガンアミノ酸キレート、ヨウ素酸カルシウム)、ガーリック、パセリ、ほうれん草、ローズマリーエキス、セージエキス、パイナップル、乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、エンテロコッカス・フェシウム)

赤字は物議をかもします。

粗灰分=8%以下, 粗繊維=7.5%以下 (推定乾物繊維量=8.3%), 水分=10%以下

測定方法タンパク質脂質炭水化物
保証分析値27%15%NA
乾物基準30%16.7%44.4%
熱量基準28%38%34%


  • このドッグフードの最初の原材料はターキーです。

    このフードは食物アレルギーに配慮してタンパク質源を七面鳥のみに絞っています。七面鳥と鶏肉は交差反応があるので鶏肉にアレルギーがある場合は高確率で七面鳥もダメなので気を付けてくださいね。

    原材料は重量順でラベルに書いてあります。水分量は考慮されていないので生肉とミールの水分量を考慮し、重量あたりのタンパク質量を考えるとおそらく2番目のターキーミールがメインのタンパク質です。

    このやり方(1番目に生肉、2番目にミール)はドッグフードでよく見かけます。原材料の見方で1番目に生肉がいいのはよく言われるので、印象を良くするために最初は生肉、でもコストを抑えるため2番目にミールを持ってきてタンパク質を増加させています。


  • 2番目の原材料はターキーミールです。

    原材料の2番目は乾燥ターキーと書かれている場合もありますが、英語公式サイトを見る限り、ここはターキーミールが正しいです。

    日本ではミールの定義がないのでターキーミールを乾燥ターキーとラベルに表示しても法的に問題ありません。しかし、ターキーミールと乾燥ターキーはまったくの別物なので注意してください。

    乾燥ターキーは七面鳥を低温乾燥させたものです。ターキーミールは七面鳥の肉と骨をレンダリング加工(脱脂粉乳のように脂肪分を取り除いて乾燥粉末させる)したものです。

    ミールは高温で製造されるので一部のアミノ酸が損失し、さらにメイラード反応で消化率が低下する可能性があるので乾燥ターキーよりも低品質です。

    ただ、ミールはミネラルの供給源にもなりますし、なにより安価なので製造業者からするとコストを削減できるメリットがあります。乾燥ターキーとの比較で悪い印象を受けるかもしれませんが、ミールはドッグフードで一般的な食材です。


  • 3〜5番目の原材料はえんどう豆、えんどう豆粉、ひよこ豆です。

    これらの豆はグレインフリーを特徴とするフードでは一般的に見かける食材ですね。低GIで食後血糖値が上がりにくく、炭水化物源として優秀で食物繊維も多く含まれています。


  • 6番目の原材料はパンプキンです。

    パンプキンはβ-カロテン、ビタミンB群、食物繊維を多く含んでいます。(ターキー&パンプキンなのに豆のほうが多くないですか?笑)


  • 7番目の原材料はキャノーラオイルです。

    キャノーラオイルは菜種を品種改良して作られた油ですね。菜種油と違って心疾患の原因となるエルカ酸とグルコシノレートを含んでいません。ただし、遺伝子組み換え原料が使われている可能性が高いです。

    オメガ3脂肪酸の供給源ですが、α-リノレン酸なので体内でDHA,EPAに変換されて利用されます。


  • 8番目の原材料はトマト繊維です。

    トマト繊維はかさ増しの一つですが、繊維源としては悪くない選択肢です。しかし、このフードは繊維量がかなり多いと思います。

    トマト繊維だけが原因ではないですけど、オールステージ向けで推定乾物繊維量8.3%はちょっと気になります。食物繊維が多いと便の量や回数が増えます。それだけならまだしも下痢や軟便になる可能性もあります。


  • 9番目の原材料はアルファルファです。

    和名はムラサキウマゴヤシと呼ばれるものでウマゴヤシ(馬肥やし)から分かるように栄養豊富です。特にタンパク質は最高で重量の50%を占めているのでかさ増しと見なすこともできますが、栄養補給源として優れているので少量であれば許容してもいいと思います。


  • 10番目の原材料はナチュラルフレーバーです。

    これは加水分解タンパクの別名です。うま味調味料でキブルに噴霧することで犬の嗜好性を高めて食いつきを良くする目的で追加されています。



ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません

ただし、6つの例外があります。



  • まず亜麻仁、サーモンオイルです。

    これらはオメガ3脂肪酸の供給源です。体内で合成できない必須脂肪酸なので食べ物から取らなければいけない栄養素です。

    サーモンオイルは魚類から取れた油なのでDHA,EPAを直接とれますが、植物の亜麻仁はα-リノレン酸なので体内に入ってからDHA,EPAに変換されて利用されます。


  • 次にキヌアです。

    キヌアは擬似穀物と呼ばれるアカザ科の植物です。グルテンフリーで栄養成分が穀物に似ていることから穀物の代替品として追加されています。


  • 次に塩、塩化カリウムです。

    犬にとって塩と塩化カリウムは人間より必要量が少ないだけで生きるために必要なものです。よくドッグフードの塩が悪く言われているので触れておきます。


  • 次にミネラルです。

    ミネラル(硫酸亜鉛、硫酸鉄、鉄アミノ酸キレート、亜鉛アミノ酸キレート、セレニウム酵母、銅アミノ酸キレート、硫酸銅、硫酸マンガン、マンガンアミノ酸キレート、ヨウ素酸カルシウム)

    微量必須ミネラルはキレート加工されていますね。例えば鉄にキレート加工を施すと ”鉄アミノ酸キレート” のような名前になります。

    キレート加工は通常のミネラルより身体に吸収されやすいように加工された状態で生物学的利用能が5〜15%ほど変わると言われています。価格は5倍以上高くなるので高品質のドッグフードでよく見かけます。


  • 次にガーリックです。

    ガーリックは栄養補給、強壮作用、免疫賦活作用、抗菌作用、抗酸化作用、抗癌作用、去痰作用、血圧降下作用など多岐にわたる薬効があります。

    ガーリックの副作用は成犬にとって稀ですが、多量または長期にわたって摂取すると血液疾患のハインツ小体性貧血(玉ねぎ中毒)を引き起こし、生命に危険を及ぼす可能性があります。[1](ガーリックはユリ科ネギ属に属する植物で玉ねぎやネギの仲間です。)

    貧血を起こしたことがある犬と子犬は摂取量に関係なく、ガーリックは避けたほうがいいです。


  • 次にパセリ、ローズマリーエキス、セージエキス、パイナップルです。

    パセリは料理の飾りに使う定番ハーブの一つですね。印象からは想像がつかないほど広い用途があり、駆風作用、利尿作用、関節炎の炎症緩和、抗菌作用などがあります。

    ローズマリーとセージのエキスは抗酸化作用と抗菌特性があります。このフードの酸化防止剤は天然由来のものが使われていますね。

    パイナップルはタンパク質分解酵素(ブロメライン)を目的として加えられていると思います。酢豚の豚肉を柔らかくする目的でパイナップルが入っていますよね?あれと同じで消化吸収を補助する役割があります。


  • 最後に乳酸菌です。

    乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、エンテロコッカス・フェシウム)

    難しい名前がずらりと並んでいますが、これはプロバイオティクスですね。身体に有益な作用をもたらす微生物で腸内バランスを改善する働きをしてくれます。要はヨーグルトや乳酸菌飲料と同じですね。



ピナクルの特徴

  • ピナクルはBreeder's Choice PetFoods社が製造している。アボダームの姉妹ブランドです。
  • ピナクルの製品で日本に輸入されているものは食物アレルギーに配慮した成分限定食タイプです。
  • 穀物、小麦、とうもろこし、大豆が使われていない。
  • 原材料の産地はすべてピナクルの公式サイトに公開されている。主にアメリカで中国などの一般的に危険だと言われる国からは仕入れていない。
  • 製造工場の所在地はカリフォルニア州ロサンゼルス群近郊のアーウィンデール。アボダームと同じ工場です。
  • 製造工場はSQF(セーフ・クオリティ・フード)レベル3に準拠している。
  • 製造現場の監督者と品質保証チームはPCQI(予防管理有資格者)を有しており、食品安全近代化法(FSMA)の訓練を受けている。
  • 製造工場はHARPCベースの品質管理プログラムによって食品安全基準を満たすよう常に監視されている。
  • 原材料を赤外線で測定し、保証分析値(粗タンパク質など)の通りに作っている。
  • 定期的に製造中の製品を収集して適切な仕様であるか確認している。
  • 微生物学者や化学者が日常的にサルモネラ菌、大腸菌、リステリア菌が含まれていないか検査している。
  • 日常的な検査には汚染物質検査もあり、メラミン、シアヌル酸、ビタミンB群、ビタミンD、またはその他の必要な分析物を検査している。
  • 製造前にすべての成分がテストされ、完成品は品質テストを合格するまで一時保留されている。
  • 原材料の生産者、農場、牧場、漁業、および納品業者(サプライヤー)の定期検査を実施している。
  • 原材料は公開市場で購入することはなく、生産者から直接調達している。

参照:https://pinnaclepet.com/
https://breederschoice.com/

成分と肉含有量の分析

ピナクル ターキー&パンプキンは原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。

しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。

ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が30%、脂質が17%、推定炭水化物が44%と判明しました。

脂質とタンパク質の比率は約56%です。

一般的なオールステージ向けのドライフードと比較するとタンパク質は平均以上、脂質は平均以上、炭水化物は平均以下。

エンドウ豆、エンドウ豆粉、ヒヨコ豆、アルファルファ、亜麻仁、キヌアで総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードは適度な量の肉を含んでいるように見えます。

最終評価

ピナクル ターキー&パンプキンは動物性タンパク質の供給源として適度な量のターキーミールを使用した穀物を含まないドライフードです。星5の評価を下しました。

とてもおすすめします。

ピナクルは日本語公式サイトを持っていません。トラウト&スイートポテトを除くと原材料の2番目は乾燥肉と書かれている場合もありますが、これはミールが正しいです。代理店の情報が正しくないので日本語公式サイトが欲しかったですね。日本で積極的に売ろうと思ったらどこのブランドも公式サイトを作るのですけどね。

英語公式サイトのほうも見てきたのですが、Webサイトにはあまり力を入れていません。例えば成分用語集のページは用語集になっておらず、”from the USA” みたいに産地のみ書いてあります。姉妹ブランドのアボダームもですが、Breeder's Choice PetFoods社のフードは簡潔な公式で詳しい情報がまったくありません。原材料と成分を見る限り、悪いフードではないので詳しい情報が公式サイトにあればいい評価をしやすいのにもったいないと思います。

ピナクルで日本に輸入している製品は成分限定食タイプのみですね。5種類ともすべて成長段階がオールステージ(大型犬の子犬を含む)です。原材料を見ると特に避けたい食材や添加物は入っていませんけど、ただね、ガーリックが入っているのが気になります。成犬以上なら少量であれば恩恵を得られると思うのですよ。

でも、このフードはオールステージ対応なので子犬も食べてOKな食事です。ガーリックは子犬に与えないほうがいい食材ですよね。原材料の表示を見る限り量は少ないですけど、子犬に与えると危険なのでオールステージ対応だけど、子犬に与えるのは止めたほうがいいと思います。

あと、ピナクル製品の5種類とも食物繊維の含有量が高めです。特にサーモン&パンプキンとターキー&パンプキンは推定乾物食物繊維が8.3%とかなり高いです。一般的には5%前後なので今まで与えていたフードと比べると便の量や回数が増えるかもしれません。

グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性

アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。

詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。

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リコール等情報

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脚注

*1 ASPCA, Garlic