ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳からはいぬわーんで中間評価の3つ星と判断されました。
評価:

ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳から
Petline
3kg¥5,005 (2020/7/1 19:00時点 )
※成犬用、アレルギー対策(魚、米)
以下は同メーカーの関連商品です。ペットフードの表示に関する公正競争規約に則っている場合は、総合栄養食の表示とドッグフードが適応する成長段階が併記されています。
重要:大型犬の子犬のためにドッグフードを選ぶ場合は、成長段階が成長期とオールステージに該当していても「大型犬の子犬にとって安全であるか」を確認してください。
ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳からの原材料
原材料:穀類(米粉、米、米ぬか)、魚介類(魚粉、サーモン魚粉、フィッシュエキス、フィッシュコラーゲン)、油脂類(牛脂、フィッシュオイルパウダー:DHA・EPA源、ライスファットカルシウム、ガンマ-リノレン酸)、糖類(フラクトオリゴ糖)、共棲発酵エキス(乳酸菌、納豆菌、酵母菌)、セレン酵母、シャンピニオンエキス、ビタミン類(A、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビチオン、B12、C、コリン)、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、塩素、鉄、コバルト、銅、マンガン、亜鉛アミノ酸複合体、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(メチオニン、タウリン、トリプトファン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
赤文字は物議をかもします。
粗灰分=10%, 粗繊維=2.5% (推定乾物繊維量=2.7%), 水分=10%
測定方法 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
ラベル保証 | 22% | 10.5% | NA |
乾物基準 | 24% | 12% | 54% |
熱量基準 | 24% | 28% | 48% |
このドッグフードの最初の原材料は穀類(米粉、米、米ぬか)です。
米粉は小麦粉のグルテンを含まない代替品と考えられます。しかも腹持ちが小麦粉より良いです。
米は白米だと仮定すると消化の良い炭水化物源です。犬が食べても問題ありません。しかし、ここでは白米なのか玄米なのか指定されていないので、この原材料を判断することはできません。
米ぬかは玄米を白米に精米するときにでる種皮や胚芽などの副産物です。食物繊維が豊富でタンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなども含んでいます。
米ぬかは低価格な原料であるため他の多くの穀物と同様にドッグフードのかさ増しとみなすことができるため賛否両論がある原材料です。
2番目の原材料は魚介類(魚粉、サーモン魚粉、フィッシュエキス、フィッシュコラーゲン)です。
魚粉 (フィッシュミール) は魚をレンダリングして乾燥させた肉の濃縮物です。レンダリングにより水分がほとんど除去されているので通常の生魚よりもはるかに高いタンパク質を含んでいます。
しかし、フィッシュは由来する魚の名称を省略しており、匿名の魚であることを意味しています。一概に魚といっても含まれる栄養素は異なるので魚種が明らかになっていたほうが評価を下す際により良い影響を与えたでしょう。
サーモン魚粉 (サーモンミール) はレンダリングして作られる肉の濃縮物のため、生のサーモンよりもはるかに多くのタンパク質を含んでいます。
フィッシュエキスは匿名の魚を水で煮込んで作る魚スープのことです。匿名の魚なので栄養価に関しては不明ですが、ドッグフードに風味と水分を与えます。
フィッシュコラーゲンは海洋生物由来のコラーゲンで魚鱗、魚骨、魚皮から取れます。動物性コラーゲンよりも吸収されやすい特徴があります。マリンコラーゲンなどとも言われます。
コラーゲンは体内のあらゆる組織に存在し、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を担っています。
また、骨・軟骨・関節・腱などの必須構成要素でもあるため股関節異形成や関節炎の改善に役立ちます。
3番目の原材料は油脂類(牛脂、フィッシュオイルパウダー、ライスファットカルシウム、ガンマ-リノレン酸)です。
牛脂は飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が大部分を占めます。必須脂肪酸の多価不飽和脂肪酸は少ないため栄養的価値は低いです。しかし、牛脂は嗜好性を高めます。
フィッシュオイルパウダーは魚油を粉末化したものです。魚油にはEPAやDHAのようなオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。由来する魚の名前が不明ですが、魚油の鮮度と純度によって犬に良質な栄養を与えます。
ライスファットカルシウムは米ぬかを絞って得られるこめ油 (米ぬか油) の脂肪酸を吸着させた粉末油脂です。
こめ油の脂肪酸はリノール酸とオレイン酸がほとんどを占めています。オメガ3脂肪酸は非常に少ないので栄養価は限定的です。
ガンマ-リノレン酸はオメガ6系多価不飽和脂肪酸です。体の中で炎症を引き起こす化学物質の生成を抑制してくれるので関節炎や被毛の健康に役立ちます。
4番目の原材料はフラクトオリゴ糖です。甘味料として有名ですが、ここではおそらくプレバイオティクスとして含まれています。プレバイオティクスは大腸内の健康な細菌の増殖をサポートする働きがあります。
5番目の原材料は共棲発酵エキス(乳酸菌、納豆菌、酵母菌)です。
共棲発酵エキス (乳酸菌、納豆菌、酵母菌) はおそらくLBSカルチャーとして含まれています。LBSカルチャーはバイオジェニックス [1] に属し、乳酸菌 (ラクトバチルス)、納豆菌 (バチルス)、酵母菌 (サッカロミセス)の頭文字をとって名付けられています。
LBSカルチャーは乳酸菌、納豆菌、酵母菌を米ぬかで共棲培養 (複数の菌を一緒に増殖させる方法) して得られる免疫賦活物質 (体の免疫を活発にする物質) のことです。[2] 歯周病の予防、皮膚疾患の緩和、腸内環境の改善に効果があります。
腸内環境を改善する方法にはプロバイオティクスもありますが、バイオジェニックスは有用菌の免疫賦活物質を腸内に直接とり入れて働きかけるので腸内フローラに関係なく、腸内環境を確実に改善させます。
6番目の原材料はセレン酵母です。セレン酵母 (セレニウム) は消化管癌のリスクを低下させる可能性を示す科学的データがあります。しかし、限定的でさらなる研究が必要とされています。[3] セレン酵母は亜セレン酵ナトリウムとは異なり、より安全と見なされています。
7番目の原材料はシャンピニオンエキスです。マッシュルームから抽出したエキスです。口臭、体臭、便臭を消す効果があると謳われています。しかし、実際に消臭効果があるのかは不明です。
ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません。
ただし、3つの例外があります。
まず、ビタミンK3です。ビタミンK3は溶血性貧血・核黄疸・高ビリルビン血症を誘発する可能性があります。それにAAFCOの栄養基準ではビタミンK3の必要量が記載されていないのでドッグフードに使用するのは疑問符が付きます。
次に、ミネラル類は亜鉛だけキレート化されています。キレート化されたミネラルは体に吸収されやすくなります。キレート化されたミネラルは通常、高品質のドッグフードに含まれていることが多いです。
最後に、タウリンです。タウリンは心臓機能の維持をサポートするアミノ酸です。タウリンはAAFCOの栄養基準で犬にとって非必須アミノ酸となっていますが、一部の犬種では体内で十分に生成できていない可能性が指摘されています。
タウリンを原材料に加えているところを見ると特別な配慮を感じます。なお、タウリン欠乏症は穀物を含まないドッグフードを食べている犬がよりなりやすいと考えられています。
ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳からの総合評価
ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳からは原材料だけで判断すると平均的なドッグフードに見えます。
しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。
乾物基準ではタンパク質が24%、脂質が12%、推定炭水化物が54%と判明しました。
脂質とタンパク質の比率は約50%です。
一般的なドライタイプのドッグフードと比較するとタンパク質は平均以下、脂質は平均以下、炭水化物は平均以上。
植物由来のタンパク質源を一切含んでいませんが、このドッグフードは僅かな量の肉しか含んでいないように見えます。
ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳からは穀物を含んでいます。
動物性タンパク質の供給源として僅かな量の魚粉を使用したドライタイプのドッグフードです。星3の評価を下しました。
少しおすすめです。
評価はいぬわーんが推定した肉の含有量、脂質とタンパク質の比率、原材料の品質などの批評基準に基づいて決定しています。

ペットライン プロフェッショナルバランス アレルゲンケア&pHコントロール 1歳から
Petline
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グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性
アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。
詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。
おわりに
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ただし、一部のオンライン小売業者 (Amazon・楽天市場・Yahooショッピング) からはアフィリエイト紹介料を頂いています。
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そしてドッグフードの批評を行う際に金銭的な誘惑によって評価を下すことなく、公平かつ偏りのない判断を下すことにも繋がっています。
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リコール等情報
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脚注
*1 腸内細菌学会, バイオジェニックス
*2 Litanial Bio Science, LBSカルチャーとは
*3 eJIM 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』, セレニウム