原材料の分割:消費者を騙すトリック

ドッグフードを選ぶ際にもっとも知られている方法は、原材料リストの最初に書かれている成分が肉または魚などの動物性タンパク質であることです。

犬は肉食寄りの動物であり、食事には主要なタンパク質源として動物や魚が含まれていなければいけないので基本的にこの選び方は理にかなっています。

しかし、この簡単な選び方では欺かれてしまう可能性があります。

それは原材料の分割が行われていて主成分が偽装されていたら対応できないからです。

原材料の分割とは何ですか?

原材料の分割は原材料をいくつかの成分に分割して、原材料リストの上位に表示させない手法です。

例えば、次の原材料リスト中にあるエンドウ豆のように。

原材料:鶏肉、エンドウ豆、鳥脂、エンドウ豆タンパク質、ニンジン、エンドウ豆繊維

エンドウ豆の成分がエンドウ豆タンパク質、エンドウ豆繊維と分割されています。

原材料の分割は悪いことですか?

原材料の分割は悪いことですか?

はい、原材料リストを故意に操作することができます。

ペットフード安全法では原材料の記載順序について規定はありませんが、消費者に適切な情報提供を行う観点から原則、多い順に記載することが望ましいとなっています。[1]

そして、ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則 (所謂、業界内ルール) では原材料に占める重量の割合の多い順に記載することになっています。[2]

そこで例えばドッグフードの原材料リストが以下のように書かれていたらどう思うでしょうか。

原材料:鶏肉、コーンミール、コーンスターチ、米粉、米ぬか

鶏肉が最初に書かれているので、鶏肉が一番多く含まれているように見えます。

では、原材料を分割前に戻して次のような割合だったらどう思いますか?

  • とうもろこし 30%
  • 米 20%
  • 鶏肉 18%

割合を元に原材料の分割を行うと次のようになります。

  • 鶏肉 (18%)
  • コーンミール (15%)
  • コーンスターチ (15%)
  • 米粉 (10%)
  • 米ぬか (10%)

このように原材料の分割は見え方を変えることができます。そして安価な食材を原材料リストの上位から遠ざけることができます。

原材料の分割 パターン2

原材料の割合は、こういうやり方もあります。例えば原材料リストの下位に以下のような豆類をいくつか含ませます。

  • エンドウ豆
  • ヒヨコ豆
  • レンズ豆
  • グリーンピース

豆は豆でも同じ名前の豆ではないので原材料リストに別々に記載しても不自然さはありません。

しかし、豆類は肉と比べるとタンパク質の品質(生物学的価値/BV)が良くありません。

肉の代わりに豆類で補われたタンパク質は含有量が多くても高品質ではないので犬にとってちっぽけな栄養にしかなりません。

それに豆類を多く含んでいるとタンパク質含有量が高くなるので製品ラベルを見たときに実際よりも多くの肉が含まれていると勘違いしてしまいます。

原材料の分割は違法じゃないの?

原材料の分割は違法じゃないの?

いいえ、違法ではありません。やり口は非常に悪質ですが、原材料の表示をルールに従って行っているだけです。

この問題は製品ラベルの表示において課題ですが、現状では代替できる規則がないので消費者が原材料について理解度を上げるしかありません。

ただ、一部の誠意ある製造業者は原材料の何パーセントが肉や魚の成分に由来しているのか明記して、消費者に分かりやすい製品ラベルにしています。

このようなメーカーの場合だと仮に原材料を分割していても肉や魚の割合を確認できるので安心できます。

まとめ:最初の成分を過大評価しないこと

ドッグフードを選ぶ際に原材料リストの最初に肉や魚があっても、リストの中に分割された植物性タンパク質がないか確認してください。

原材料の分割を行えば主要な成分でも原材料リストの下位に忍び込ませることができます。

脚注

*1 農林水産省, 「ペットフード安全法 表示に関するQ&A」

*2 「ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則」, (平成27年7月14日), 公正取引委員会,消費者庁 承認

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