オネストキッチン ドッグフードの批評(低温乾燥)

2022年2月21日

オネストキッチン チキン

オネストキッチン ドッグフードはいぬわーんで最高評価の5つ星を獲得しました。

評価:

オネストキッチン ドッグフードの総合栄養食は全部で3種類あります。以下はその3種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。

また、ここでは3種類を代表してオネストキッチン チキンレシピを批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。

製品評価成長段階
オネストキッチン チキンレシピ5A
オネストキッチン ターキーレシピ5A
オネストキッチン フィッシュレシピ5M

原材料とラベルの分析

オネストキッチン チキンレシピ

製品サイズ:900g / 1.8kg / シングルカップ

オネストキッチン チキンレシピ

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ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。

原材料:低温乾燥チキン、オーガニック大麦、低温乾燥じゃがいも、オーガニックフラックスシード、オーガニックオーツ、低温乾燥豆類、低温乾燥にんじん、乾燥パセリ、乾燥バナナ、低温乾燥セロリ、低温乾燥オーガニックケルプ、ミネラル[リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コリン、亜鉛アミノ酸キレート、鉄アミノ酸キレート、ヨウ化カリウム、銅アミノ酸キレート、亜セレン酸ナトリウム]、タウリン、ビタミン[ビタミンE補助食品、ビタミンB12 補助食品、チアミン硝酸塩(ビタミンB1)、パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンD3 補助食品 ]、EPA、DHA

赤字は物議をかもします。

粗灰分=12%以下, 粗繊維=4%以下 (推定乾物繊維量=4.3%), 水分=8%以下

測定方法タンパク質脂質炭水化物
保証分析値24.5%以上14.0%以上NA
乾物基準26.6%15.2%45.1%
熱量基準25.5%35.4%39.0%

このドッグフードの最初の原材料は低温乾燥チキンです。

低温乾燥チキンは低温でゆっくり水分を除去してタンパク質の変性を抑えています。使われている鶏肉はブロイラーとは全く違う人道的な環境で育てられた鶏です。ネオストキッチンで使われている動物性タンパク質はすべて米国農務省(USDA)で人間が食べることができる品質と認定を受けています。また、この鶏肉の一部にはGAP認定の鶏肉が使われている場合もあります。

GAP(Global Animal Partnership)は家畜動物の福祉を考え、たとえ食肉用の家畜でも人道的に飼育されるべきであるとの考えを促進するアメリカの非営利団体。動物福祉評価プログラムを設け、認定制度を導入している。ネオストキッチンの英語公式サイトによると2024年までにすべての鶏肉をGAP認定を受けた農場で調達する予定だそうです。

動物性タンパク質源は低温乾燥チキンだけですね。チキンミールとは違うので肉の品質が高い反面、ちょっと価格に影響を与えそうです。

2番目の原材料はオーガニック大麦です。

有機農作物は農薬や化学肥料などの使用を制限された中で栽培されているので安心・安全の農作物です。ただし、通常の農作物と比べてコストがかかります。

オーガニック大麦は炭水化物源でとても食物繊維の含有量が多いです。大麦の食物繊維にはβ-グルカンと呼ばれる水溶性食物繊維が含まれており、糖質の吸収を抑えて食後血糖値の上昇をゆるやかにしたり、コレステロールを吸着して排泄時に外へ出すためコレステロール値の上昇を抑えたりする効果があります。

3番目の原材料は低温乾燥じゃがいもです。

じゃがいもは主成分が炭水化物のデンプンでエネルギー源になります。低温乾燥され、栄養素を損なわずに水分が取り除かれているのでビタミンC、カリウムも得ることができます。

じゃがいもはタンパク質含有が多くはありませんが、低温乾燥で水分量が少なくなり、タンパク質の割合が多くなっています。じゃがいものタンパク質は犬の必須アミノ酸10種類をすべて含んでいるものの、含有量に問題があります。

必須アミノ酸は桶に例えられ、一枚の板(アミノ酸の1種類)が短いと桶として成り立たないように、必須アミノ酸は1種類でも一定量に満たないと、それが制限要因になります。

じゃがいもの植物性タンパク質は特にヒスチジン、トリプトファン、メチオニンが少なく、他にも比較的少ないものが多く、必須アミノ酸の種類は優れていますが、量のバランスが悪いので動物性タンパク質と比べると劣っています。

参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

4番目の原材料はオーガニックフラックスシードです。

フラックスシードは種実類の亜麻仁のことで必須脂肪酸のα-リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)を豊富に含んでいます。α-リノレン酸は体内でDHA,EPAに変換されて利用されますが、変換時にロスがあるため直接DHA,EPAを摂取するより効率が劣ります。

亜麻仁は種実類なのでタンパク質と食物繊維も多く含んでいます。

5番目の原材料はオーガニックオーツです。

オーガニックオーツのオーツは燕麦のことです。燕麦は他の麦の仲間と同じく炭水化物源で食物繊維には大麦ほどではありませんが、β-グルカンが含まれています。

6番目の原材料は低温乾燥豆類です。

ネオストキッチンは食材にこだわりを持っているので「豆類」のような何を使っているのか分からない曖昧な書き方をするのかな?と思ってアメリカの公式サイトを見てきたところ ”dehydrated peas” と書かれていました。低温乾燥エンドウ豆のことですね。豆類じゃなかったです。翻訳の問題ですね。

低温乾燥エンドウ豆は炭水化物を多く含んでいます。食物繊維はほとんどが不溶性食物繊維です。ビタミンB群、ミネラル類といった栄養素も低温乾燥で損なわれずに含んでいます。

エンドウ豆は炭水化物が多いのに実はタンパク質も乾物で約20%と豊富です。しかも脂質は約2%と極端に少ないのでアミノ酸の補足、ミネラル・ビタミン含有調整、脂質低減といったバランサーとして使い勝手が良い食材です。

エンドウ豆のタンパク質は低温乾燥じゃがいもと同じく動物性タンパク質と比べると劣っていますが、植物性タンパク質は植物性タンパク質として役立ちます(アミノ酸の補足)。

7番目の原材料は低温乾燥にんじんです。

低温乾燥されているので通常の人参より栄養素が損なわれず、高品質の食材ですね。

人参は緑黄色野菜でβ-カロテンを豊富に含んでいます。緑黄色野菜は可食部にβカロテンを600μg以上含む野菜のことです。β-カロテンは体内の必要量に応じてビタミンAに変換されて使われます。

ただし、すべて変換されるわけではなく、一部はβ−カロテンとして作用します。β−カロテンは人参の色素成分でカロテノイドの一種です。強い抗酸化作用と免疫を強化する作用があります。

8番目の原材料は乾燥パセリです。

一般的にパセリと言えば添えてあるものですが、実は緑黄色野菜で人参と同じくβ-カロテンが豊富で栄養価も非常に高いです。また、ポリフェノールのアピゲニンが含まれているので強い抗酸化作用と免疫賦活作用が期待できます。

9番目の原材料は乾燥バナナです。

バナナはカリウムやビタミンCを豊富に含んでいるほか、果物の中でとくにポリフェノールの含有量が多いです。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素を除去し、生活習慣病の予防や免疫力の増強などの効果があります。

10番目の原材料は低温乾燥セロリです。

セロリにはポリフェノールの一つであるフラボノイド(アピゲニン、黄色の色素)が含まれています。これは8番目に解説したパセリにも入っていましたよね。また、緑黄色野菜ほどではありませんが、β-カロテンが多いです。ポリフェノールとβ-カロテンを両方含んでいるため、セロリも強い抗酸化作用・免疫賦活作用があります。

ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません

ただし、2つの例外があります。

まず、ミネラル類です。

ミネラル[リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コリン、亜鉛アミノ酸キレート、鉄アミノ酸キレート、ヨウ化カリウム、銅アミノ酸キレート、亜セレン酸ナトリウム]

ミネラルは亜鉛、鉄、銅がキレート加工されていますね。アミノ酸キレートと名前に付いていることから分かると思います。亜鉛などの微量必須ミネラルは吸収率が低いのでアミノ酸と科学的に結合させて、ミネラルをアミノ酸として吸収できるように加工して体内での吸収率を上昇させ、効率的に利用できるようにしてあります。硫酸亜鉛などと比べると高価なミネラルなので高品質のドッグフードでよく見かけます。

セレン化合物の一つである亜セレン酸ナトリウムは毒物及び劇物取締法により劇物と指定され、ペットフード中の含有量は0.00011%以下と定められています。セレンはミネラル中でも極めて許容量の差が狭く、栄養目的の添加でも扱いが難しい微量必須栄元素です。

次に、タウリンです。

タウリンは体内でアミノ酸のメチオニンとシステインから合成可能で肉・魚からも得ることができます。肉や魚がたっぷり入っていれば本来は不要でAAFCOの栄養基準でも必須とはなっていません。しかし、一部の合成する力の弱い犬種や高齢犬ではタウリン欠乏症が見られる場合があるので保険として追加されているのだと考えられます。タウリンは心臓の機能を正常に保つ役割があります。

ネオストキッチンの成分と原材料についてはパッケージから確認できます。でも、その原材料はどこから調達されているのか、品質管理はどのように行われているのか等はパッケージから知ることはできません。そこは企業しか知り得ないことです。だから企業が公式サイトで公開している情報を頼りに「ネオストキッチンとは」をまとめてみました。

  • ネオストキッチンは日本の株式会社ライトハウスが総輸入販売元で製造はアメリカで行われています。レシピはAAFCOの栄養基準に準拠しています。
  • すべてのレシピで100%ヒューマングレードの原材料を使用。フィードグレード(家畜向けの飼料)原材料は使用していません。
  • 原材料マップを公開しています。すべての原材料の生産国を知ることができます。また、製造前には原材料の栄養素を分析し、その証明書を発行しています。
  • 多くの原材料に「低温乾燥」製法を採用しています。与えるときにはぬるま湯を注ぐので効率よく水分の摂取もできます。
  • 副産物、廃棄される部位、増量剤、合成保存料、4Dミート、羽毛、トウモロコシ、小麦、大豆、中国産の食材、遺伝子組み換え食材を不使用。
  • すべての原材料は化学薬品、エトキシキン等の化学保存料を不使用であることが証明されています。
  • 動物性タンパク質源には放し飼いのチキンとターキー、白身魚はMSC認証(持続可能な漁業に対する認証制度)されたものを使用しています。これらはすべて米国農務省(USDA)の認証を受けたものです。
  • 鶏肉を使ったいくつかのレシピではGlobal Animal Partnership(GAP)認証を取得した農場から仕入れた鶏肉を使用しています。2024年までにはGAP認証を受けた鶏肉に完全移行する予定です。
  • フルーツと野菜は遺伝子組み換えされたものは使わず、残留薬物の検査を合格したものを使用しています。穀物とシード類はオーガニック認証を受けたものを使用しています。
  • 信頼のおける生産者からのみ原材料を調達しています。仕入先は食品の安全性や衛生面で厳しい基準を満たすことの証明を義務付けています。また、収穫から選別・洗浄に至る全ての工程は人間用の食品基準と同じです。
  • 製造工場は人間用の食品工場と同等の食品安全基準、品質管理基準を満たしています。FDA、SQF、HACCPを用いてFDA基準値、人の食品の安全性基準のレベル2、食品の安全規定をすべて満たしています。
  • 原材料は病原体(大腸菌・サルモネラ等)の検査で合格したものだけを使います。野菜は加工後も再検査します。製造後には再々検査が実施され、合格したものだけが製品として出荷されます。
  • 年に4回ほど第三者機関によりメラミンやエトシキシン、有害重金属の検査を行っています。

参照:https://www.thehonestkitchen.jp/
https://www.thehonestkitchen.com/

成分と肉含有量の分析

オネストキッチン チキンレシピは原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。

しかし、原材料の品質だけではなく、成分(タンパク質・脂質・炭水化物)と肉の含有量も評価を下すために重要です。

ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が27%、脂質が15%、推定炭水化物が45%と判明しました。

脂質とタンパク質の比率は約57%です。

一般的なオールステージ用のドライフードと比較するとタンパク質は平均に近い、脂質は平均的、炭水化物は平均に近い。

低温乾燥じゃがいも、オーガニックフラックスシード、低温乾燥えんどう豆で総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードは適度な量の肉を含んでいるように見えます。

最終評価

オネストキッチン チキンレシピは動物性タンパク質の供給源として適度な量の低温乾燥チキンを使用した穀物を含む低温乾燥フードです。星5の評価を下しました。

とてもおすすめします。

チキンレシピの原材料に低温乾燥豆類が入っていたので英語公式サイトは何と書いてあるのか見に行ったときに、英語公式サイトでは製品の種類がもっと豊富なのに気が付きました。日本総販売元の株式会社ライトハウスでは総合栄養食は3種類だけ輸入販売しているということが分かりました。

ネオストキッチンは栄養を損なわない低温乾燥製法で作られたドッグフードで全体的に高カロリー、高タンパクの傾向があります。ぬるま湯を加えて3分ほど待ってから与えるので水分も一緒に取れますし、香りが引き立った状態なので嗜好性も高いです。食べるときはペースト状になるのでシニア犬でも食べやすく、消化に良いです。

ネオストキッチンの最大の特徴は100%ヒューマングレード。原材料に使われているすべてが人間の食用品質で、その中でも穀物&シード類はオーガニックが使われ、肉類&魚類は放し飼いとMSC認定の魚、フルーツ&野菜は非GMOであったりと高品質のものだけを使用しています。ヒト(人間)でもそこまでこだわっている人は少ないだろうというほど品質と素材にこだわっていますね。しかも工場も人間の食品工場と同等レベルの衛生基準、品質管理のもと作られています(FDA,SQF,HACCPの基準を満たす)。

控えめに言って、これ以上良いフードはないですね。原材料の品質が人間グレード、工場も人間グレード、肉の含有量も多く、原材料にこれはやめてほしいといったものもなく、ハイレベルです。

ただ、ちょっと気になるのは、ターキーレシピは乾物食物繊維が10.4%でオールステージ向けの製品にしてはかなり多いですね。トイレでウンチする回数や量が増える可能性があります。また、フィッシュレシピは乾物脂質が9.3%で結構な低脂質です。それでも100gあたり380kcalあるので低カロリーではありません。

ここまでこだわりが強い製品だと価格も気になるところですが、ぬるま湯を加えると量が約4倍になります。パッケージに書いてありますね。ぬるま湯を加えると実質この量になります。内容量900g(3.6kg分)/ 1.8kg(7.2kg分)。修正された量の価格はターキーレシピでは1.8kgで100gあたり215円(税込)です。チキンレシピは138円/100g。フィッシュレシピは258円/100gです。価格は公式shop参照。ターキーレシピとフィッシュレシピはそれでもやっぱりやや高価格帯ですが、チキンレシピはこの品質では安いと思います。ネオンキッチンはとてもおすすめです。

グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性

アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。

詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。

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