GO! LID ドッグフードの批評(ドライ)

2021年12月2日

GO! LID ダック

GO! LID ドッグフードはいぬわーんで高評価の4つ星を獲得しました。

評価:

GO! LID ドッグフードは全部で3種類あります。以下はその3種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。

また、ここでは3種類を代表してGO! LID ダックを批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。

製品評価成長段階
GO! LID ダック4A
GO! LID サーモン4A
GO! LID ラム4A

原材料とラベルの分析

ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。

原材料:ダック生肉、ダックミール、エンドウ豆、レンズ豆、タピオカ、エンドウ豆粉キャノーラ油、ヒヨコ豆、ナチュラルフレーバー、ココナッツ油、乾燥チコリ根、乾燥ローズマリー、微細藻類由来油、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コリン、ビタミン類(ビタミンAサプリメント、ビタミンD3サプリメント、ビタミンEサプリメント、ナイアシン、L-アスコルビン酸-2-ポリリン酸塩(ビタミンC源)、d-パントテン酸カルシウム、硝酸チアミン、β-カロテン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、葉酸、ビオチン、ビタミンB12サプリメント)、ミネラル類(タンパク質キレート亜鉛、タンパク質キレート鉄、タンパク質キレート銅、酸化亜鉛、タンパク質キレートマンガン、硫酸銅、硫酸第一鉄、ヨウ素酸カルシウム、酸化マンガン、セレン酵母)、タウリン、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

赤字は物議をかもします。

粗灰分=8.4%以下, 粗繊維=4.5%以下 (推定乾物繊維量=5%), 水分=10%以下

測定方法タンパク質脂質炭水化物
保証分析値24%12%NA
乾物基準26.6%13.3%50.6%
熱量基準25.4%30.9%43.6%

このドッグフードの最初と2番目の原材料はダック生肉、ダックミールです。

このフードは成分限定食で動物性タンパク質が鴨肉(ダック)しか含まれていません。鴨肉は、鶏肉や七面鳥とタンパク質の構造が異なるので交差反応は起こりません。

ダックミールは一般的に人間用の肉を取り除いた後に残る骨の周りに付いている肉や副産物(不可食臓器類の頭・足・骨など)を加熱処理して脂肪を分離し、水分を飛ばして作られる肉粉です。使用部位や比率は製造業者に依存しており、各ブランドの ”ミール” は名前こそ同じですが、成分はまったく異なります。

ペットキュリアン社(GO! LIDの製造元)は人間用食材を使用し、肉副産物・成長ホルモンを使用した肉・中国産原材料を不使用とのことなのでダックミールの品質はある程度高いと考えて良いでしょう。

3,4,6,8番目の原材料はエンドウ豆、レンズ豆、エンドウ豆粉、ヒヨコ豆です。

3,4,6,8番目と飛び飛びになっていますが、豆類が多く含まれていますね。これらの豆類はデンプン、食物繊維(ほぼ不溶性)、タンパク質を含んでいます。

タンパク質のアミノ酸構成は3種類の豆とも含有量に差はあれど似たような構成で必須アミノ酸を10種類とも含んでいます。ただし、共通してトリプトファン、メチオニン、ヒスチジンが比較的少ないです。豆類の植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べると劣りますが、アミノ酸以外にも価値(アミノ酸の調整、ミネラル含有の調整、食物繊維源、カロリー調整など)があり、バランスの良い栄養設計にはかかせない存在です。

えんどう豆粉のように乾物になっているとタンパク質の含有量が増えるのでかさ増しの一種と見なすことができます。

5番目の原材料はタピオカです。

タピオカはキャッサバのデンプンなので炭水化物源です。デンプン(炭水化物)なのでタンパク質や脂質はほぼ含まれていません。デンプンは原材料同士の繋ぎやカリッとしたキブルの食感を生むことにも役立ちます。

7番目の原材料はキャノーラ油です。

キャノーラは菜種油と同じく優れたオメガ3脂肪酸の供給源です。植物性オイルなのでALAの形をしているため体内でDHA,EPAに変換してから利用されます。

このフードには同じくオメガ3脂肪酸の供給源である微細藻類由来油も入っていますね。ただし、こちらはALAとは異なり、変換後のDHA源ですね。

DHAはお魚でよく聞くやつです。頭が良くなるとか言われているやつと同じです。犬にとって必須脂肪酸で食べ物から摂る必要がある成分です。

8番目の原材料はナチュラルフレーバーです。

これは加水分解タンパクのことでキブルに振りかけるうま味調味料ですね。食いつきを向上させるためのものです。ブランドによってはチキン由来などと書かれていることもあります。GO!LID サーモンとラムにはフィッシュ由来、ラム由来と書かれているのにダックだけ書かれていません。

9番目の原材料はココナッツ油です。

ココナッツオイルは90%が飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸というと牛脂などの動物性脂肪をイメージしますが、主とする構成成分が長鎖脂肪酸ではなく、中鎖脂肪酸なので異なる性質を持っています。

中鎖脂肪酸は肝臓で素早く分解され、すぐにエネルギーとして使われます。この特徴を活かして成長期の子犬や食欲が低下したシニア犬などの栄養補給として優れています。

ココナッツオイルにはオメガ3脂肪酸は含まれていません。オメガ6脂肪酸は含んでいます。

10番目の原材料は乾燥チコリ根です。

チコリ根はハーブの一種で利尿作用、駆風作用などの薬効あるとされます。駆風作用はお腹の中に溜まったガスを排出する作用なのでおならが増える可能性があります。

チコリ根の主成分はイヌリンと呼ばれる水溶性食物繊維でプレバイオティクスとして働きます。プロバイオティクスと一緒に食べると相乗効果が得られるので乳酸菌の一種も加えられていることが多いのですが、このフードにはチコリ根しか入っていませんね。成分限定食だからでしょうか。

ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません

ただし、3つの例外があります。

まず、微細藻類由来油です。

微細藻類由来油はオメガ3脂肪酸(DHA源)の供給源です。微細藻類は植物プランクトンのことです。海の中の食物連鎖で微細藻類のDHAが魚に蓄積することで魚がオメガ3脂肪酸の供給源と言われます。元を辿れば微細藻類がDHA源なのです。

次に、ミネラル類です。

ミネラル類(タンパク質キレート亜鉛、タンパク質キレート鉄、タンパク質キレート銅、酸化亜鉛、タンパク質キレートマンガン、硫酸銅、硫酸第一鉄、ヨウ素酸カルシウム、酸化マンガン、セレン酵母)

微量必須ミネラルの一部はキレートミネラルに加工されています。”タンパク質キレート亜鉛” といった名前のミネラルがそれに該当します。アミノ酸とミネラルを結合して、アミノ酸として吸収できる形にしたキレートミネラルは体内に吸収されやすくなります。一般的に高級ドッグフードでよく見かけるミネラルの形です。

最後に、タウリンです。

タウリンは含硫アミノ酸の一種で脳・血液・目・心臓・肝臓などのあらゆる臓器に存在し、生命活動を維持するのに必要不可欠な成分です。体内でメチオニンとシステインを使って合成することができるので必須成分ではありませんが、メインのタンパク質源(メチオニンとシステイン源)がダックミールなので高温調理の際にアミノ酸が吸収しにくい形になることを考えて追加されていると思われます。

GO! LIDの品質と安全性についてはペットキュリアンの英語公式サイトと日本輸入総販売元のGPN(Global Pet Nutrition Inc.)に書いてあります。評価はあくまでもラベル上の情報のみで企業の名前で変えたりしませんが(大企業に高評価、零細企業に低評価など)、最終的に製品を選ぶ際に企業の姿勢や品質を見極めるのに公開情報は役立つので確認しておきましょう。

  • 動物性タンパク質を一種類に限定したアレルギー対応食。
  • 中粒タイプなので中型犬~大型犬の口に向いたキブルサイズです。
  • グレインフリー、グルテンフリー、ポテトフリー
  • 牛肉、小麦、トウモロコシ、大豆を不使用
  • ペットキュリアンの製品(GO!、NOW FRESH、GATHER)のレシピはジェニファー・エイドルフ博士が率いる栄養学チームが設計しています。
  • ドライフードは欧州連合、米国食品医薬品局、カナダ食品検査庁により認可された衛生基準を有するカナダのオンタリオ州にある工場で製造されています。
  • 製造過程ではカナダ政府(保健省)が設定した品質保証テストを行い、合格した製品のみ出荷しています。
  • 製造工場は品質保証のために人間用食品の監査を行っている NSF Cook & Thurber と the American Institute of Baking に独立監査を依頼しています。
  • 原材料にはカナダ食品検査庁で人間用の基準を満たした食材を使用しています。中国産不使用、中国で加工された食材も不使用です。
  • カナダの地元農家と牧場主から新鮮食材を仕入れています。製造工場に近いので生肉・鮮魚は冷凍加工せずチルド(冷蔵)で管理しています。ラム肉と鹿肉だけはオーストラリアとニュージーランド(EUから認可を受けた工場)から仕入れています。
  • すべてのレシピで肉副産物、成長ホルモンを使用した肉、人工添加物(保存料・香料・着色料)を使っていません。カナダでは1960年代より鶏肉にホルモン類とステロイドの使用が禁止されています。
  • すべてのレシピで食品の保存料には混合トコフェロール(ビタミンE)を使用しています。エトキシキン、BHA、BHTは不使用。魚類は製造工場で調理される前に水銀などの重金属のテストが行われています。
  • ペットキュリアンは各フードの製品概要ページにて無作為に選んだ製品の栄養成分を公開しています。保証分析値はすべての製品に当てはまるように数値化されたものなので保証分析値とは異なる値になっています。

参照:https://www.petcurean.com/
https://www.gpn-inc.co.jp/

成分と肉含有量の分析

GO! LID ダックは原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。

しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。

ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が27%、脂質が13%、推定炭水化物が51%と判明しました。

脂質とタンパク質の比率は約50%です。

一般的なオールステージ向けのドライフードと比較するとタンパク質は平均に近い、脂質は平均に近い、炭水化物は平均以上。

エンドウ豆、レンズ豆、エンドウ豆粉、ヒヨコ豆で総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードは適度な量の肉を含んでいるように見えます。

最終評価

GO! LID ダックは動物性タンパク質の供給源として適度な量のダックミールを使用した穀物を含まないドライフードです。星4の評価を下しました。

とてもおすすめします。

GO! LIDは成分限定食でタンパク質源を一つに限定しているフードです。また、他の食材もシンプルに選び、不要な物は省いたと書いてあるように機能性食品(必須栄養素ではない抗酸化性や健康成分)は入っていません。フードは全年齢・全犬種対応ですが、中粒タイプなので中型犬~大型犬の口に向いたキブルサイズです。

GO LIDはフードローテンションにもおすすめと書いてありますが、炭水化物源はどのフードでも同じものが使われています。また、その他の原材料もキャノーラ油、ココナッツ油、微細藻類由来油が使われていて一緒です。タンパク質のローテーションには向いていると思いますが、炭水化物やその他の原材料のことを考えると別の成分限定食にしたほうがいいかもしれません。

原材料の変更を修正する際に気が付きましたが、ペットキュリアン.jp が無くなって.comにリダイレクトされるようになっていますね。日本輸入総販売元のGPN(Global Pet Nutrition Inc.)は生きています。ここはWebサイトがしっかり作られていますね。ただ、よくある質問で「原材料はヒューマングレードですか?」の問いに対して答えが「フードに使う食材はカナダ食品検査庁(CFIA)で人間用の基準を満たした食材=ヒューマングレード食材を使用しています。」でした。

この ”ヒューマングレード食材” の表記はミスリードじゃないかな?書き方が悪くないですか?意味は伝わるけど、ヒューマングレードは原材料だけでなく保管や輸送、包装に至るまですべてが人間用の食品と同じ基準を満たして初めて言える言葉です。ヒューマングレード食材は購入するそのときまでヒューマングレードじゃないと意味のない言葉です。原材料だけヒューマングレードと書けるのは日本だけで欧米の基準では使えない言葉です。人間用の食材を使っているのは分かりますが、このような書き方は不適切な気がします。

グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性

アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。

詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。

おわりに

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