GATHER ドッグフードの批評(ドライ)

2021年12月3日

GATHER フリーエーカー

GATHER(ギャザー)ドッグフードはいぬわーんで中間評価の3.5つ星と判断されました。

評価:

GATHER(ギャザー)ドッグフードは全部で2種類あります。以下はその2種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。

また、ここでは2種類を代表してギャザー フリーエーカーを批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。

製品評価成長段階
GATHER エンドレスバレー2M
GATHER フリーエーカー5M

原材料とラベルの分析

ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。

原材料:チキン(オーガニック)、乾燥チキン(オーガニック)、エンドウ豆(オーガニック)、レンズ豆、鶏脂肪、乾燥クリル粉(MSC認証)、フラックスシード(オーガニック)、ブルーベリー、クランベリー、乾燥ローズマリー、卵殻粉、ビタミン類(ビタミンAサプリメント、ビタミンD3サプリメント、ビタミンEサプリメント、ナイアシン、L-アスコルビン酸-2-ポリリン酸塩(ビタミンC源)、d-パントテン酸カルシウム、硝酸チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、葉酸、ビオチン、ビタミンB12サプリメント)、ミネラル類(タンパク質キレート亜鉛、タンパク質キレート鉄、タンパク質キレート銅、タンパク質キレートマンガン、ヨウ素酸カルシウム、セレン酵母)、タウリン、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

赤字は物議をかもします。

粗灰分=8.5%以下, 粗繊維=5%以下 (推定乾物繊維量=5.5%), 水分=10%以下

測定方法タンパク質脂質炭水化物
保証分析値30%15%NA
乾物基準33.3%16.7%40.5%
熱量基準30.6%37.2%32.1%

このドッグフードの最初と2番目の原材料はチキン(オーガニック)、乾燥チキン(オーガニック)です。

このフードは動物性タンパク質が鶏肉のみです。油脂も鶏脂のみです。そして最大の特徴としてオーガニックチキンが使われています。

劣悪な飼育環境・不衛生・ストレスによって病気になりやすいブロイラー(食肉用の若鶏)と違ってお薬不使用で安心安全のお肉の証拠です。

ただ、カナダでは1960年代より鶏肉にホルモン類とステロイドの使用が禁止されているので元からペットキュリアン社で使われているお肉はお薬不使用ですけどね。動物福祉の考えやより安心安全のお肉を使っているってことですね。

乾燥チキンは乾燥して水分を飛ばしたお肉です。ミートミールではありません。日本の場合、表記が曖昧なのでチキンミールを乾燥チキンと表示して、公式サイトで「乾燥チキンはチキンミールのことです」と補足のような書き方をしている場合が多いのですが、ここの乾燥チキンは本当の乾燥チキンです。

オーガニック認証はカナダとアメリカの第三者機関(COR,USDA)の認証を受けています。

3番目と4番目の原材料はエンドウ豆(オーガニック)、レンズ豆です。

豆類は栄養面が優れています。えんどう豆やレンズ豆は豆類の中でも炭水化物が多いグループに属しています。そして、炭水化物(糖質)やタンパク質が多い一方で脂質が極めて少ないため、脂質低減やカロリー調整の役割があり、バランスの良い栄養設計に一役買っています。また、食物繊維やビタミンB群、ミネラル類をバランス良く含んでいます。

このフードの推定炭水化物は40.5%で主な炭水化物源はえんどう豆とレンズ豆だけなので結構な量が入っているはずです。ラベルのタンパク質には豆類の植物性タンパク質も多く含まれていると考えたほうがいいでしょう。

レンズ豆はオーガニックと書いてないので書き漏れなのか確認のために英語公式サイトのほうも確認してきましたが書いてないですね。

オーガニック食材は農薬や化学肥料残留の心配がありません。ただ、手間暇が値段に反映されるのが欠点でしょうか。

5番目の原材料は鶏脂肪です。

鶏脂は必須脂肪酸のリノール酸(オメガ6脂肪酸)の供給源です。英語公式サイトでは混合トコフェロール(ビタミンE)で保存と書いてあります。良いことなので日本の代理店のサイトでも書いておけばいいのにもったいない気がします。

6番目の原材料は乾燥クリル粉(MSC認証)です。

クリルは日本ではオキアミと呼ばれるエビに似た甲殻類のプランクトンです。オメガ3脂肪酸(DHA,EPA)とアスタキチンサンの供給源です。

アスタキチンサン(赤色色素)はカロテノイドの一種で海老や蟹などの甲殻類やサーモンなどの魚類に含まれる抗酸化物質です。

MSC認証とあるので持続可能な方法(生態系を壊さないように)で漁獲されていると海洋管理協議会に認証されています。

7番目の原材料はフラックスシード(オーガニック)です。

フラックスシードは亜麻と呼ばれる花の種子(亜麻仁)でナッツとかと同じカテゴリの種実類です。このフードではオーガニック基準で栽培されていますね。

亜麻仁は多価不飽和脂肪酸を豊富に含んでおり、特に植物由来のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)の含有量が多いです。α-リノレン酸はそのままでは利用されず、体内でDHA,EPA(お魚でよく聞く成分)に変換されて利用されます。

他にも食物繊維とタンパク質を多く含んでいます。ここは種実類ならではですね。食物繊維は水溶性・不溶性のバランスが良く含まれています。

8番目と9番目の原材料はブルーベリー、クランベリーです。

ベリー類はポリフェノールの一種であるアントシアニンと呼ばれる免疫機能をサポートする抗酸化成分を含んでいます。

ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません

ただし、2つの例外があります。

まず、ミネラル類です。

ミネラルは一部がキレートミネラルに加工されています。微量必須ミネラルは吸収率が低いので摂取してもほとんどが利用されずに排出されてしまいます。そこでミネラルとアミノ酸を結合させ、アミノ酸として体内に吸収させることで吸収率を上げ、無駄なく使えるようにしています。

キレートミネラルは ”タンパク質キレート亜鉛” がその例です。硫酸亜鉛と比べると高価なので高級フードでよく見かけるミネラルの形です。

次に、タウリンです。

タウリンは心臓機能をサポートする含硫アミノ酸で体内でメチオニンとシステインで合成できます。肉や魚を食べていれば体内で自然と合成できるものなのでAAFCOの栄養基準では非必須アミノ酸に分類されています。

このフードはミートミールを使っていないのでタンパク質の変性が少なく、タウリンを合成するには十分だと考えられますが、犬種や加齢によって合成量に差があるので追加されているのでしょう。

タウリンは非必須アミノ酸とはいえ、不足すると拡張型心筋症などを引き起こすので大切な栄養素です。

GATHER(ギャザー)の原材料だけ見て満足していませんか? ドッグフードは日本では ”雑貨扱い” なので製造にも目を向けなければいけません。ギャザーの製造工場、衛生面、品質保証などについては公式サイト(英語)と日本輸入総販売元のGPN(Global Pet Nutrition Inc.)に詳しく載っています。確認しておきましょう。

  • 単一の動物性タンパク質を使用し、第三者機関の認証(オーガニック認証、MSC認証、VEGAN.ORG認証)を受けた食材を使ったレシピです。
  • エンドレスバレーは動物性原材料を使わないベジタリアンレシピです。
  • 遺伝子組み換え食品、レンダリングミートミールを不使用。穀類不使用、グレインフリー、ポテトフリー。
  • 小麦・トウモロコシ・大豆を不使用。
  • 人工添加物(着色料、香料、保存料)を不使用。
  • パッケージは環境保全のためにサトウキビから作られたプラスチックが使われています。ポリエチレン(石油由来の資源)を30%削減。ただし、日本リパック品(454g、1.4㎏)は異なります。
  • ペットキュリアンの製品(GO!、NOW FRESH、GATHER)のレシピはジェニファー・エイドルフ博士が率いる栄養学チームが設計しています。
  • ドライフードはカナダのオンタリオ州にあるEU(欧州連合)、FDA(米国食品医薬品局)、CFIA(カナダ食品検査庁)により認可された衛生基準を有する工場で製造されています。
  • 製造過程ではカナダ政府(保健省)が設定した品質保証テストを行い、合格した製品のみ出荷しています。
  • 製造工場は品質保証のために人間用食品の監査を行っているNSF Cook & Thurber と the American Institute of Baking に独立監査を依頼しています。
  • 原材料にはカナダ食品検査庁で人間用の基準を満たした食材を使用しています。中国産不使用、中国で加工された食材も不使用です。
  • カナダの地元農家と牧場主から新鮮食材を仕入れています。製造工場に近いので生肉・鮮魚は冷凍加工せずチルド(冷蔵)で管理しています。ラム肉と鹿肉だけはオーストラリアとニュージーランド(EUから認可を受けた工場)から仕入れています。
  • すべてのレシピで肉副産物、成長ホルモンを使用した肉、人工添加物(保存料・香料・着色料)を使っていません。カナダでは1960年代より鶏肉にホルモン類とステロイドの使用が禁止されています。
  • すべてのレシピで食品の保存料には混合トコフェロール(ビタミンE)を使用しています。エトキシキン、BHA、BHTは不使用。魚類は製造工場で調理される前に水銀などの重金属のテストが行われています。
  • ペットキュリアンは各フードの製品概要ページにて無作為に選んだ製品の栄養成分を公開しています。保証分析値はすべての製品に当てはまるように数値化されたものなので保証分析値とは異なる値になっています。

参照:https://www.petcurean.com/
https://www.gpn-inc.co.jp/

成分と肉含有量の分析

ギャザー フリーエーカーは原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。

しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。

ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が33%、脂質が17%、推定炭水化物が41%と判明しました。

脂質とタンパク質の比率は約50%です。

一般的な成犬向けのドライフードと比較するとタンパク質は平均以上、脂質は平均以上、炭水化物は平均以下。

エンドウ豆(オーガニック)、レンズ豆、亜麻仁(オーガニック)で総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードはかなりの量の肉を含んでいるように見えます。

最終評価

ギャザー フリーエーカーは動物性タンパク質の供給源としてかなりの量の乾燥チキン(オーガニック)を使用した穀物を含まないフードです。星5の評価を下しました。

とてもおすすめします。

GATHER(ギャザー)はアメリカ・カナダのオーガニック認証と海洋保全(MSC)認証、ベジタリアンレシピのエンドレスバレーはヴィーガン.ORG認証を受けています。

ギャザーのフリーエーカーは動物性タンパク質に人道的に育てられた鶏のみを使用しています。原材料は最小限でオーガニックの安心安全食材を中心に使用し、アレルギーに配慮したレシピに設計されています。

MSC認証はちょっと注意が必要です。生態系を壊さず、持続可能な漁業を目的としたMSC認証は環境問題を考える上で大切なことですが、原材料の調達が困難になってしまったら販売が終了してしまいます。ワイルドオーシャンはMSC認証の魚(タラ)が不足して販売終了になりました。(確認日2021/11/20、再開は不明)だからMSC認証の食材を使っていると急に販売終了になる可能性があるので、そのつもりで購入する必要があります。フリーエーカーではクリルがMSC認証を受けています。

それからパッケージも少々問題です。少量サイズ(454g、1.4kg)は日本でリパックされており、ポリエチレン30%削減されたエコのパッケージは使われていません。環境保全を意識した製品なのに、意識できていません。

ただ、ギャザーの製造ラインは私が調べたところ過去に1回もリコールしていません。(同社のGO!は2003年に1回あり)これはイイですよね。

ギャザーは原材料の品質が高く、無作為に選ばれたロットの栄養成分を分析した結果を公開しているなど情報の透明性が高いのでとてもおすすめです。

ギャザーのエンドレスバレーはベジタリアンレシピの総合栄養食です。犬には特別な事情がない限り肉食をおすすめしています。こちらのレシピに関しては獣医師と相談のもとお選びください。

グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性

アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。

詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。

おわりに

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