犬のサイズと年齢によって細分化される総合栄養食

【特集】犬のサイズと年齢によって細分化される総合栄養食

ドッグフードは犬のサイズと年齢に合わせた栄養バランスを満たす総合栄養食があります。

そもそも犬はサイズごとに分類されているのを知っていますか?小型犬、中型犬、大型犬がありますよね。

でも、サイズの定義は世界中のどこにも存在しません。どこの国も定めていないのです。しかし、一般的には成犬になったときの標準体重でサイズの分類を行います。しかし、この体重の基準も大型犬以外は存在しないので非常に曖昧なものになっています。

大型犬は子犬のときに骨や関節の成形疾患になりやすいのでカルシウムとリンの最大値がAAFCO 栄養プロファイルによって決められています。そのため、大型犬の定義もAAFCOでは「成犬時の体重が70ポンド (約31kg) 以上になると予想される犬」としています。[1]

標準体重でのサイズの分類はドッグフードの研究に先んじているロイヤルカナンを参考にすると次のように分けてあります。[2]。

  • 超小型犬:成犬時の体重4kgまで
  • 小型犬:成犬時の体重10kgまで
  • 中型犬:成犬時の体重11kg〜25kg
  • 大型犬:成犬時の体重26〜44kg
  • 超大型:成犬時の体重45kg以上

ただ、標準体重でのサイズ分けは媒体によって超小型犬や超大型犬などを区分けしていないこともあります。例えば、10kg以下はすべて小型犬、26kg以上はすべて大型犬といったようにです (サイズの分類は非常に曖昧なので愛犬の分類が気になる方は購入希望のメーカーにお問い合せするのが確実です)。

日本は居住スペースの関係で小型犬が非常に人気で大型犬を飼っている家庭は少ない。だから中型犬・大型犬用の総合栄養食も流通している種類が少ないので、いぬわーんでは犬のサイズを超小型犬、小型犬、中型犬、大型犬の4つに分類するとします。

ドッグフードにおいて犬のサイズの分類は犬の特性に配慮し、それぞれのサイズに合わせた栄養素を満たすように作り分けられています。犬にはサイズと年齢に合った総合栄養食を与えましょう。

概要

犬はサイズと年齢に合わせた総合栄養食がある。いぬわーんではサイズを超小型犬、小型犬、中型犬、大型犬の4つに分類している。

超小型犬のためのドッグフード

超小型犬

超小型犬は成犬時の標準体重が4kgまでの犬です。子犬から成犬になるまでの成長が他のサイズよりも早く、おおよそ生後10ヶ月齢で成犬になり、8歳から中高齢期、12歳から高齢期が始まります。[2]

超小型犬は好き嫌いがある犬が多く、食いムラの傾向があるので粒 (キブル) にチキンエキスなどを噴霧して食欲を掻き立てる香りを付与するものが多い。

また、超小型犬は室内飼いが多く見られます。室内飼いは運動不足が原因の肥満になりやすく、腸の活動も鈍くなるのでニオイがきつく、量の多い糞便になる傾向があります。

室内犬向けの総合栄養食は消化性の高いタンパク質と体重の維持に有効なL-カルニチンなどを配合し、低脂肪/低カロリーに設計されています。

概要

超小型犬は好き嫌いがある傾向が強く、食べムラが出やすい。嗜好が合う総合栄養食を見つけましょう。室内飼い向けに設計された総合栄養食もあります。

超小型犬のドッグフード一覧

小型犬のためのドッグフード

小型犬

小型犬は成犬時の標準体重が10kgまでの犬です。超小型犬と同じく、おおよそ生後10ヶ月齢で成犬になり、8歳から中高齢期、12歳から高齢期が始まります。[2]

小型犬は他のサイズの犬よりも体は小さいですが、体重1kgあたりの必要エネルギー量がもっとも多いです。それに大型犬と比べると臭覚がそれほど鋭くないため、偏食である場合があります。(小型犬でも嗅覚ハウンドなど嗅覚が鋭い犬も当然います)

また、歯並びや唾液量の問題で歯石が付きやすいので粒 (キブル) の形状に工夫されたものが多く見られます。

これらの理由によって小型犬のための総合栄養食は【食欲を刺激するニオイ/食べやすい大きさ/噛みやすい食感/高脂肪】を兼ね揃えたものが多いです。

概要

小型犬は他のサイズの犬より多くのエネルギーを必要とする。食べ物の好き嫌いが激しい傾向があり、歯石が付きやすいので食いつきが良く、小粒で食べやすい総合栄養食を与えましょう。

小型犬のドッグフード一覧

中型犬のためのドッグフード

中型犬

中型犬は成犬時の標準体重が11kg~25kgの犬です。生後2ヶ月までの間は急激に成長しますが、その後はゆっくりと成長し、おおよそ生後12ヶ月齢で成犬になります。7歳から中高齢期、10歳から高齢期が始まります。[2]

中型犬はもともと猟犬や牧羊犬として人間と共存してきた背景があり、活発な性格の犬が多いです。しかし、運動量が多いと活性酸素が過剰に作られてしまいます。

活性酸素は免疫機能などとして働くため体に必要なものですが、過剰に生産された状態が長続きすると細胞や組織が傷つき、老化や病気をもたらすことなります。[3]

そのため、中型犬のための総合栄養食には活性酸素を打ち消すビタミンEやビタミンCなどの抗酸化物質が多く含まれています。

また、運動量が多いことから関節の健康維持が大切で大型犬と同じく関節サポート成分が含まれている場合が多いです。中型犬用フードは大型犬用フードと兼用になっていることがあります。

概要

中型犬は活発で運動量が多い。そのせいで活性酸素が過剰に生産されてしまうので抗酸化物質が多く含まれる総合栄養食を与えましょう。

中型犬のためのドッグフード一覧

大型犬のためのドッグフード

大型犬

大型犬は成犬時の標準体重が26kg以上の犬です。大型犬はおおよそ生後15ヶ月齢で成犬になり、5歳から中高齢期、8歳から高齢期が始まります。[2]

大型犬は子犬と呼べる期間がどのサイズの犬よりも長いですが、成犬期は5歳までと他のサイズの犬よりも短い。大型犬は成犬になるのが遅いですが、もっとも早くに老い始めます。

AAFCOでは大型犬を「成犬の標準体重が70ポンド以上 (約31kg) になると予想される犬」と定義していますが、子犬の段階で成形疾患を罹患する可能性が高いことからより保守的な考え方として50ポンド以上 (約22kg) を大型犬の定義にすべきと主張する人もいます。[4]

ロイヤルカナンの考える大型犬は「成犬時の標準体重が26kg以上の犬」でAAFCOとの差は5kgと違いがありますが、冒頭でも話したとおり、サイズの定義は非常に曖昧で「ロイヤルカナンの考えでは26kgだよ」という前提で話しています。

大型犬はその大きな体からは想像が付かないほど繊細な消化器官を持っており、水分を多く含んだやわらかい糞便をする傾向にあります。しかも、ニオイがきつい場合が多いので大型犬のための総合栄養食には腸内環境を整えるプロバイオティクス/プレバイオティクスが含まれていることが多いです。

また、大型犬は遺伝的要因や環境的要因で股関節形成不全を発症する可能性があるので、大きな体を支える骨と関節の負担を減らすために低カロリーで肥満になりにくく、関節サポート成分を含み、カルシウムとリンの含有量が調節された総合栄養食になっています。

大きな体に血液を送る心臓の負担を考えてタウリンも原材料に入っていることが多いです。

概要

大型犬は消化器官が敏感で子犬のときから骨と関節の成長に注意が必要です。これらに配慮された総合栄養食を与えましょう。

大型犬のためのドッグフード一覧

脚注

*1 川瀬 清 「(11)大型犬における股関節形成不全症と栄養」, (2003年 6巻3号) p.138-144

*2 マイロイヤルカナン, ドッグフードを探す/サイズと年齢で選ぶ, (2020年12月12日閲覧)

*3 e-ヘルスネット (厚生労働省), 活性酸素と酸化ストレス, (2020年12月13日閲覧)

*4 Deborah E. Linder, “Confused About What to Feed Your Large Breed Puppy? New Rules May Help!”, Clinical Nutrition Service, Cummings Veterinary Medical Center, Tufts University (February 24, 2017).

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