ドッグフードの食物繊維は何の利点がありますか?

食物繊維は難消化性で一般的にドッグフードに不可欠な栄養素とは考えられていません。しかし、市販のドッグフードのほとんどに食物繊維が含まれています。

これは食物繊維を栄養素として含ませているわけではなく、食物繊維が持つさまざまな効果のために含めてあると考えられます。

消化機能の正常化を助ける

食物繊維の主な機能は消化物の胃から大腸への通過時間を調整して快便をもたらすことです (便秘と下痢の改善ともいう) 。

食物繊維は日本食品標準成分表2015年版 (七訂) [1]の中で「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。

食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があり、潤滑作用 (水溶性繊維) と水分吸収 (不溶性繊維) の機能を持っています。

水溶性繊維は水分に溶けて粘性のあるゲルを形成し、消化物が胃や腸をゆっくり通過するのを助けます。[2]

不溶性繊維は胃から腸で水分を吸収して便の増量を助け、大きくなった便が腸壁を刺激して蠕動運動 (腸の筋肉が収縮して食物が押し出される) により排泄頻度を早めます。[2]

つまり、食物繊維は消化速度が早い場合は遅くし、反対に消化速度が遅い場合は早くして、消化機能を正します。

結腸の健康維持に役立つ

食物繊維は結腸 (盲腸・直腸以外の大腸の部分) の健康も保つことが分かっています。

食物繊維は食べてから大腸まで進むと腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸が生成されます。[3]

短鎖脂肪酸はさまざまな機能がありますが、主に以下の3つが挙げられます。[3]

  • 悪玉菌の増殖を抑制する
  • 消化物の移動速度を早める
  • 免疫反応を制御する

さらに、食物繊維は犬の大腸がん予防にも効果があることが分かっています。[2]

不溶性繊維は水分を吸収して便の増量を助け、大きくなった便が腸壁を刺激して排泄頻度を早めます。

そして食物の中に含まれている発がん性物質をこまめに便として排出することで結腸壁と消化管のがんの原因となりうる要素を減らします。

糖尿病の管理に役立つ

食物繊維は犬の2型糖尿病の管理に役立ちます。

水溶性繊維は水分に溶けてゲル化するので消化物がゆっくりと胃や腸を通過して消化吸収を遅らせる働きをします。[2]

消化が遅いと血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。

また、食物繊維は胆汁酸を吸着して体外に排出します。[4]

胆汁酸は2型糖尿病の改善に効果があるので体外に排出するのは悪いことのように思うかもしれません。

しかし、胆汁酸は生成されてから長いこと時間が立つと機能が低下し、古い胆汁酸があると新たに生成も行われないことが分かっています。[4]

そこで食物繊維で古い胆汁酸を体外に排出して新たに胆汁酸を生成させることが糖尿病の改善に役立ちます。

過剰摂取は便秘が悪化する

犬にとって最適な繊維量に関する公的機関の情報は存在しません。

そこで製造業者は独自の研究に基づく犬の健康を保てる繊維量をドッグフードに含ませています。

多くの製造業者では粗繊維 2〜4パーセント[2]の範囲内に収まるように作っていることが分かっているので、この範囲を目安にドッグフードを購入するのがおすすめです。

なお、食物繊維が10パーセントを超えている場合は多すぎです。繊維が多すぎると排便の頻度が高まって便がゆるくなったり、便が大きくなりすぎて便秘を引き起こしてしまいます。

脚注

*1 「日本食品標準成分表2015年版 (七訂) 第一章 説明」, 文部科学省, p16

*2 The Facts You Need Before Feeding Your Dog a Fiber Regiment, October 19, 2017 Whole Dog Journal, 2019年7月9日閲覧

*3 短鎖脂肪酸, ヤクルト中央研究所, 2019年7月8日閲覧

*4 「胆汁酸の排出で糖尿病が改善 コンニャクにも予防効果」, 2012年09月06日, 糖尿病ネットワーク, 2019年7月7日閲覧

-FAQs

© 2021 いぬわーん