ブリット ケア ドッグフードの批評(ドライ)

2022年4月3日

ブリット ケア ラム&ライス アダルト S

ブリット ケア ドッグフードはいぬわーんで最高評価の5つ星を獲得しました。

評価:

ブリット ケア ドッグフードは全部で9種類あります。以下はその9種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。

また、ここでは9種類を代表してブリット ケア ラム&ライス アダルト Sを批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。

原材料とラベルの分析

ブリット ケア ラム&ライス アダルト S

製品サイズ:1kg / 3kg / 7.5kg

ブリット ケア ラム&ライス アダルト S

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ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。

原材料:ラムミール(40%)、米(36%)、鶏肉脂肪(天然配合トコフェロールで保存)、乾燥リンゴ、サーモンオイル(2%)、天然香味料、醸造酵母、甲殻類の貝殻の加水分解物(グルコサミンの主原料、260 mg/kg)、軟骨エキス(コンドロイチンの主原料、160 mg/kg)、マンナンオリゴ糖(150 mg/kg)、ハーブ類と果実類(ローズマリー、クローブ、かんきつ類、ウコン、150 mg/kg)、フラクトオリゴ糖(100 mg/kg)、ユッカシディジェラ抽出物(100 mg/kg)、イヌリン(90 mg/kg)、オオアザミ(75 mg/kg)

赤字は物議をかもします。

粗灰分=8.4%以下, 粗繊維=2.5%以下 (推定乾物繊維量=2.8%), 水分=10%以下

測定方法タンパク質脂質炭水化物
保証分析値29%以上18%以上NA
乾物基準32.2%20.0%38.4%
熱量基準27.6%41.7%30.6%

このドッグフードの最初の原材料はラムミール(40%)です。

ミートミールは同社のプレミアム by ネイチャー製品のほうではチキンミールと書かれたところが実は脱水肉(dehydrated chicken) でした。ブリット ケアも念のため英語公式サイトで確認してきたところ、lamb meat meal (40%) と書かれていたのでブリット ケアではそのままラムミールで合っています。

ブリット ケアはEU加盟国のチェコで製造されているため、EUでの法律が適応され、ペットフードの製造に使用される原材料はすべて人間の消費に適合するものでなければなりません(EU1774/2002)。そのためラムミールに使用される肉はヒューマングレードになります。

ただし、ラムミールは脂肪分を取り除くレンダリング工程と粉状にするための乾燥工程があり、熱を加える回数が多いため生肉と比べるとタンパク質変性はかなり進んでいると考えられます。ただ、アミノ酸類は追加されていないので問題はないのでしょう。

2番目の原材料は米(36%)です。

米は白米やブリュワーズライスなどいくつかに分けて考えることができますが、ここでは白米だと仮定すると日本食品標準成分表2020年版(八訂)のデータでは100gあたりタンパク質6.1g、脂質0.9g,炭水化物77.6g、食物繊維総量0.5gとなっています。米は炭水化物源ですね。

3番目の原材料は鶏肉脂肪(天然配合トコフェロールで保存)です。

鶏肉の脂肪にはリノール酸が多く含まれていることが知られています。リノール酸は必須脂肪酸の一つです。体の中で合成できないので必ず食べ物から摂取しなければいけないものです。

また、鶏肉の脂肪は犬の嗜好性を上昇させる成分です。人間でも鶏脂を溶かして鶏油を作り、中華料理や炒めものなどの調味料を兼ねて使いますよね。犬も同じように鶏肉の脂肪にそそる香りを感じます。

4番目の原材料は乾燥リンゴです。

リンゴには多様なポリフェノール、通称リンゴポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは特に皮の部分に多く、強い抗酸化作用があります。また、食物繊維にはペクチンと呼ばれる成分が含まれており、プレバイオティクスとして働くので腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を退治するほか、腸の蠕動運動を促すので便秘や下痢を改善します。

5番目の原材料はサーモンオイル(2%)です。

サーモンオイルは必須脂肪酸の一つ、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の供給源です。健康な皮膚や被毛、心血管・心臓の健康のために重要な成分です。また、サーモンオイルには一価不飽和脂肪酸が多く、オレイン酸が豊富に含まれています。オレイン酸は必須脂肪酸ではありませんが、悪玉(LDL)コレステロールを下げる効果があります。

6番目の原材料は天然香味料です。

天然香辛料は英語公式サイトでは "chicken liver hydrolyzed" と書かれているので鶏レバー加水分解物のことですね。鶏の肝臓をアミノ酸まで加水分解したもので独特のうま味を持つことからキブルに吹きかけて嗜好性を高めるために用いられます。

使用している食材が匿名の場合だと天然香辛料やタンパク加水分解物、ナチュラルフレーバーなどの曖昧な表現が使われます。ここでは翻訳の問題なのか日本では鶏レバー加水分解物ではなく、匿名の食材を使用しているか不明です。

7番目の原材料は醸造酵母です。

醸造酵母はビールの醸造に使用された酵母のことで意外にも栄養価が高いため利用されています。醸造酵母にはビタミンB群、タンパク質、ミネラルなど多様な栄養素の他に、β-グルカンやマンナンオリゴ糖といった食物繊維が含まれているため、消化不良・食欲不振など、胃腸の働きを改善してくれる効果があります。

ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません

ただし、3つの例外があります。

まず、甲殻類の貝殻の加水分解物、軟骨エキスです。

これらは関節軟骨成分で関節炎の予防に効果があります。甲殻類の貝殻の加水分解物はグルコサミン源で軟骨の再生や修復に効果があります。軟骨エキスはコンドロイチン源です。軟骨の水分を維持する成分でクッション性に影響を与えます。

次に、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イヌリンです。

マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イヌリンはどれもプレバイオティクスとして働くものです。マンナンオリゴ糖は醸造酵母にも入っていましたね。

これらは同じ特徴を持ち、消化管上部(食道・胃・十二指腸)で消化吸収されず、そのまま大腸まで届き、腸内に生息する善玉菌の栄養源となります。その結果、善玉菌が増殖し、腸内環境を整えるのに一役買ってくれます。

一部のドッグフードには善玉菌などのプロバイオティクスが含まれているものもありますが、ブリット ケアでは見当たりません。

最後に、ハーブ類と果物(ローズマリー、クローブ、かんきつ類、ウコン、ユッカシディジェラ抽出物、オオアザミ)です。

ローズマリーは強い酸化防止作用と抗菌作用があるので酸化防止剤として使われています。

クローブは胃の健康(健胃)と抗菌作用があり、消化不良と口臭予防に効果があります。

かんきつ類は総称で具体的に何が使われているのか不明です。柑橘類は一般的にビタミンCを多く含んでいる果物です。犬はビタミンCを体内で合成できるので不足分を考えての配合や嗜好性(果糖)目当てでしょうか。あまり良いとは言えませんが悪いとも言えません。

ウコンとオオアザミはどちらも肝臓機能の保護または強化に効果があります。この2つは併用して大丈夫なものです。

ユッカシディジェラ抽出物は有効成分のサポニンを抽出したものです。トイレの臭い軽減や関節の炎症緩和の効果があります。

原材料や成分値などはパッケージに一通り書かれています。これだけでドッグフードを判断するのもいいですが、会社について少し知った方がいいです。原材料の産地、仕入先、工場の衛生基準・品質管理など、こういう情報を公式サイトに書く会社は自信があるから書けるのです。だから公式サイトを見てパッケージからでは分からないドッグフードの品質を知ることも大切です。以下は公式サイトを参照した情報です。

  • ブリットの日本正規輸入販売者は株式会社レシアンです。生産国はチェコで欧州ペットフード工業連合会(FEDIAF)の栄養基準に準拠しています。
  • EU内の自社工場で製造し、ISO 9001:2015、IFS、BRC、HACCPの品質規格に基づき厳しい安全基準に準拠しています。
  • 原材料の良し悪しが製品を決めるという理念のもと定期的に原材料の品質テストを行っています。
  • 原材料は可能な限り地元から仕入れていますが、他にもヨーロッパ各地、ニュージーランド、南米から調達しています。
  • 大豆、小麦、トウモロコシ、遺伝子組み換え作物は一切使用していません。

参照:https://www.vafo.com/. https://www.britjapan.jp/

成分と肉含有量の分析

ブリット ケア ラム&ライス アダルト Sは原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。

しかし、原材料の品質だけではなく、成分(タンパク質・脂質・炭水化物)と肉の含有量も評価を下すために重要です。

ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が32%、脂質が20%、推定炭水化物が38%と判明しました。

脂質とタンパク質の比率は約62%です。

一般的な成犬向けのドライフードと比較するとタンパク質は平均以上、脂質は平均以上、炭水化物は平均以下。

ドッグフードの中には全体のタンパク質量を増やすために植物性タンパク質を多く含む原材料を使用し、肉を多く含んでいるように見せ、消費者によりアピールするものがあります。

そのためタンパク質量だけでは、そのドッグフードにどれだけ動物性タンパク質が含まれているかを判断することはできません。そこで植物性タンパク質を多く含む原材料を抜き出し、タンパク質量にどれほど影響を与えているのか推定してみましょう。

このドッグフードには醸造酵母といった植物性タンパク質を多く含む原材料が含まれていますが、タンパク質量には大きな影響を与えずかなりの量の肉を含んでいるように見えます。タンパク質の大部分は動物性由来であると考えられます。

最終評価

ブリット ケア ラム&ライス アダルト Sの原材料は平均以上でPFCバランスは優れています。タンパク質はラムミールといった動物由来が大部分を占めており、高レベルの肉含有量です。これらに基づき星5の評価と結論付けました。

とてもおすすめします。

ブリット ケアは食物アレルギーや不耐性を予防することを目的としたフードです。タンパク質には①ラム、②サーモン、③鹿肉・ウサギ肉を使用しています。基本的にはラムとサーモンばかりで特別なニーズを目的としたウェイトロスにウサギ肉、センシティブに鹿肉が使用されています。小麦やトウモロコシ、大豆のほか、チキン、ビーフ、ポークなどの代表的なタンパク質はすべて排除されています。

どのブリット ケアも原材料の最初の2番目までは含有量が書いてあります。良心的ですよね。肉の含有量や2番目の炭水化物の含有量が分かります。こういうのは肉含有量どうこうより、情報開示できるだけクリーンなのかどうかなのでブリット ケアは素晴らしいと思います。

原材料の種類は多くありません。メインの動物性タンパク質以外は他のブリット ケアでも共通になっています。いろんな種類のものから少しずつ栄養素を取り入れるというより、一つのものからまとめて栄養素を得るやり方ですね。これは低アレルギーの食材だけで構成されているためです。原材料の一番目がラム肉だと2番目は必ず米、一番目がサーモンだと2番目は必ずポテトです。炭水化物は決まってこの2つが使われています。サーモンを使用しているのはすべてグレインフリーです。

繊維質は全体的に少なめの傾向です。PFCバランスは良いです。(タンパク質と脂質は高いほどよく、炭水化物は低いほうが良い)乾物換算でタンパク質は27.7%〜35.5%。ウェイトロスでも高タンパクで繊維でかさ増ししているものではありません。もちろんカロリーは低く調整されています。どの製品を見てもしっかりとタンパク質が含まれていて良いフードですね。

見たところすごく良いフードだと思います。しかし、同社の別シリーズでも書きましたが、ブリットジャパンでは製品情報がほとんど得られません。公式サイトには製品しか載っていないですからね。英語のブリット.comも同様に製品のみです。チェコの会社のフードなのでチェコの企業サイト(VAFO Group)まで行かないと原材料の調達先や工場に関する詳しい情報は一切得られません。

日本で販売して、日本に公式サイトを持っていて、なぜ詳しい情報を載せないのかと、疑問です。たまに「製品が悪くなくて、情報不足だけなら、食べる分には問題ないんじゃないの?」と言われる方もいますが、製品情報を消費者に対して伝えるのは製品管理の一環です。

ドッグフードは人間の食品ではないので軽視される部分が多く、それはどの国でも同じです。だからこそ「安全なものです」と、伝えるのは大切なことで日本のどの企業を見ても程度に差はあれどしっかり説明がなされています。製品管理を適切に行なっていないと万が一、異物混入で自主回収が起きたり、製品の不備が起きた際に迅速に消費者に対して伝えられないです。だって普段から情報を公開していないのですから。Amazonや楽天市場で取り扱っている製品だから安心というものではありません。フード自体は良いものだと思いますが、ちょっとね、製品管理が不十分のように見受けられます。

グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性

アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。

詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。

おわりに

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