アーテミス アガリクス I/S ドッグフードの批評(ドライ)

アーテミス アガリクス I/S 小粒・中粒

アーテミス アガリクス I/S ドッグフードはいぬわーんで高評価の4つ星を獲得しました。

評価:

アーテミス アガリクス I/S ドッグフードは全部で3種類あります。以下はその3種類と評価をまとめた表になります。表の成長段階に書いてある記号はそれぞれの頭文字を取ったもので【G=子犬、M=成犬・老犬、A=オールステージ、U=不明】の意味があります。

また、ここでは3種類を代表してアーテミス アガリクス I/S 小粒・中粒を批評していきますが、他の種類の批評が見たい場合は表中の内部リンクを利用してください。

原材料とラベルの分析

アーテミス アガリクス I/S 小粒・中粒

ドッグフードを選ぶ際には原材料に書かれた上から最初の10品目を見てください。

原材料の表示は原則、重量順です。つまり、最初に書いてあるものがもっとも含有量が多いのです。

原材料:フレッシュチキン・ドライチキン・フレッシュターキー・大麦・玄米・オーツ麦・黍・えんどう豆・えんどう豆粉・ドライターキー・鶏脂肪(混合トコフェロールによる保存処理)・トマト絞り粕(リコピン)・チキンスープ(天然風味料)・フレッシュダック・フレッシュサーモン・卵・フラックスシード・サーモンオイル(DHA 源)・ドライ魚肉・塩化コリン・乾燥チコリ根・ケルプ・人参・リンゴ・トマト・ブルーベリー・ほうれん草・クランベリー・ローズマリーエキス・パセリフレーク・グルコサミン塩酸塩・L カルニチン・ラクトバチルスアシドフィルス菌・ビフィドバクテリウム ラクティス・ラクトバチルスロイテリ・エンテロコッカスフェカリス EF2001・アガリクス・ビタミン E・キレート鉄・キレート亜鉛・キレート銅・硫酸第一鉄・硫酸亜鉛・硫酸銅・コンドロイチン硫酸・ヨウ化カリウム・チアミン硝酸塩・キレートマンガン・酸化マンガン・アスコルビン酸・ビタミンA・ビオチン・パントテン酸カルシウム・硫酸マンガン・亜セレン酸ナトリウム・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)・ビタミンB12・リボフラビン・ビタミンD・葉酸

赤字は物議をかもします。

粗灰分=6%以下, 粗繊維=4%以下 (推定乾物繊維量=4.4%), 水分=10%以下

測定方法タンパク質脂質炭水化物
保証分析値24%14%NA
乾物基準26.6%15.6%51.1%
熱量基準24%34%42%


  • このドッグフードの1〜3番目の原材料はフレッシュチキン・ドライチキン・フレッシュターキーです。

    フレッシュは ”冷蔵保存された(生のまま)” を意味しています。つまり、冷凍保存せず、加工もしていないので鮮度が高く、風味を損なっていない状態のことです。ただのチキンよりもフレッシュチキンのほうが明確に原材料の情報開示を行っているので品質の高い食材と見なすことができます。

    原材料の2番目は ”ドライチキン” と書いてありますが、総輸入代理店のよくある質問によるとドライチキンまたはドライ○○はミールのことだそうです。アーテミス アガリクス I/S製品はアメリカで販売終了しているのでアメリカの公式サイトで確認できませんでしたが、他のアーテミス製品(オソピュア)の翻訳を確認してみるとチキンミールのところがドライチキンに翻訳されているのでドライチキン=チキンミールで間違いなさそうです。

    原材料の1番目が生肉、2番目がミール、3番目が生肉の並びですが、フードの価格的にフレッシュ肉をふんだんに使うのは無理なのでメインのタンパク質はミールです。生肉は水分が7割でミールは乾燥物だからタンパク質量で考えるとミールのほうが多くなると推測できます。

    原材料の10番目にドライターキー、10品目より下にフレッシュダック・フレッシュサーモン・卵・ドライ魚肉が並んでいます。一見、動物性たんぱく質が多く入っているように見えますが、乾物タンパク質が26.6%なので多いわけではないです。種類が多いだけですね。


  • 4番目の原材料は大麦です。

    大麦は栄養豊富な全粒穀物です。玄米、オーツ麦といった他の全粒穀物よりも食物繊維とβ-グルカンの量がとても多く、大麦由来のβ-グルカンは糖質の吸収を抑えて、コレステロールを吸着して体外へ排出するので食後血糖値とコレステロール値の上昇を抑えます。また、腸内細菌(有用菌)によって発酵分解されて短鎖脂肪酸を産生して腸内環境を整えるのに関与します。


  • 5番目の原材料は玄米です。

    玄米は白米の精米前で全粒穀物です。白米と比べて米糠が付いている分だけ食物繊維とビタミン・ミネラルを多く含み、栄養価に富んでいます。


  • 6番目の原材料はオーツ麦です。

    オーツ麦は全粒穀物で精白処理をしていないのでふすま部分の食物繊維やミネラルが残り、高い栄養価があります。食物繊維にはオーツ麦由来のβ-グルカンを含んでいます。名前に ”麦” と付きますが、小麦と違ってグルテンフリーです。

    このフードに含まれる大麦・玄米・オーツ麦は良質な炭水化物源です。小麦やコーンよりも消化性が高く、プレミアムフードと呼ばれるドッグフードでお馴染みの食材です。


  • 7番目の原材料は黍です。

    黍は桃太郎でご存じのきび団子の原料で日本では五穀の一つとされています。ビタミンB群、食物繊維、ミネラル類(鉄、亜鉛など)が多く含まれており、黄色い色素はポリフェノールで抗酸化性に優れています。


  • 8番目と9番目の原材料はえんどう豆、えんどう豆粉です。

    えんどう豆は加工して食物繊維だけ、デンプンだけ、タンパク質だけで使われることが多い食材ですね。でも、ここではただのえんどう豆なので良質な炭水化物源です。

    えんどう豆粉は乾燥させたえんどう豆を挽いて粉状にしたものでエンドウタンパクの含有量を考えるとタンパク質のかさ増しの側面があります。



ここまで原材料をリストの上から順番に見てきました。この製品には他にも多くの原材料が含まれていますが、これよりも下に位置する原材料は評価に影響を与えそうにありません

ただし、8つの例外があります。



  • まず、鶏脂肪です。

    鶏脂はオメガ6脂肪酸(リノール酸)の供給源です。動物性油脂なのでフレーバーとしての効果も少しあります。混合トコフェロール(ビタミンE)による保存処理と書いてありますね。これは情報提供の観点から素晴らしいです。書いていない会社のほうが多いですから。やっぱり、何が入って、何が入っていないのかを詳しく書いてくれている会社は信用できます。


  • 次に、トマト絞り粕・トマトです。

    原材料の表示位置を見るとトマト搾りかすのほうがかなり多く入っていますね。トマト搾りかすには(リコピン)とも書いてありますが、主に食物繊維源でかさ増しの一種です。トマトにはリコピンが含まれているのは事実ですが、搾りかすにはそんなに入っていないです。ただ、繊維源としては水溶性と不溶性がバランスよく含まれているので悪くない選択肢です。

    原材料の後ろのほうにはトマトが入っていますよね。こちらはリコピンの供給源です。リコピンは強い抗酸化作用を持っています。ビタミンEの100倍とも言われています。


  • 次に、フラックスシード・サーモンオイルです。

    フラックスシードは亜麻仁のことですね。オメガ3脂肪酸の供給源で食物繊維とタンパク質も多く含んでいます。植物の亜麻仁に含まれるオメガ3脂肪酸はα-リノレン酸で体内でDHA,EPAに変換して利用されます。魚から取れるサーモンオイルにはDHA,EPAがそのまま入っており、変換せず、そのまま体内で利用できます。サーモンオイルのほうがオメガ3脂肪酸の供給源として価値があります。


  • 次に、ケルプ・人参・リンゴ・ブルーベリー・ほうれん草・クランベリーです。

    これらは一つにまとめました。ケルプはヨウ素(甲状腺ホルモンの主原料)の供給源です。人参、ほうれん草は緑黄色野菜でβ-カロテン(体内でビタミンAに変換される)の供給源です。リンゴもβ-カロテンを含んでいます。リンゴの食物繊維はペクチンと呼ばれるプレバイオティクスです。ベリー系は抗酸化作用のあるアントシアニン(青紫色の天然色素)の供給源です。


  • 次に、乾燥チコリ根・ローズマリーエキス・パセリフレーク・ビタミンEです。

    このフードには人工の酸化防止剤が含まれていないのでローズマリーエキスとビタミンEが酸化防止剤の目的で追加されています。ローズマリーエキスは天然由来なのにBHA,BHTに負けないほど強力な抗酸化作用・抗菌特性があります。

    チコリ根に含まれるイヌリンは難消化性の水溶性食物繊維で腸内まで消化されずに届き、有用菌(乳酸菌など)によって発酵分解されることで代謝副産物(短鎖脂肪酸など)を生み出し腸内環境の改善に一役買います。

    パセリフレークは彩りのための存在ではありません。パセリは緑黄色野菜で栄養豊富です。β-カロテンを豊富に含んでいます。根は利尿作用があるので老廃物を排出して関節炎の予防に効果的です。また、葉には殺菌効果のあるアピオールや揮発性オイルが含まれているので泌尿器の感染にも有効です。パセリは用途の広い薬用植物なので薬効をまとめると駆風作用、血圧降下作用、栄養補給、利尿作用、関節炎の炎症緩和、月経促進作用、殺虫作用、抗菌作用があります。


  • 次に、乳酸菌です。

    乳酸菌(ラクトバチルスアシドフィルス菌・ビフィドバクテリウム ラクティス・ラクトバチルスロイテリ・エンテロコッカスフェカリス EF2001)

    これらは乳酸菌の一種でヨーグルトや乳酸菌飲料と同じで腸内フローラを改善する微生物です。キブルの完成後にコーティングしてプロバイオティクスとして追加されています。


  • 次に、アガリクスです。

    このフードの名前にもなった薬用キノコですね。アガリクスはハラタケ科に属するブラジル原産のキノコで日本ではカワリハラタケまたはヒメマツタケと呼ばれることもあります。ビタミンやミネラル、その他の有効成分を含んでおり、主要成分のアガリクス由来β-グルカンは免疫賦活作用や抗ガン作用があるとされます。


  • 最後に、ミネラル類です。

    ミネラル類は一部がキレート加工されています。キレートミネラルはアミノ酸とミネラルが結合したもので身体への吸収を促進するための加工方法です。さまざまな種類がありますが、キレート化されるミネラルはすべて微量必須ミネラルになります。主要必須ミネラルのほとんどは身体に吸収されやすいためです。低価格帯のフードでは見かけないのでこれが入っているとコストをかけて作られたと分かります。




アーテミスの特徴

  • Artemis Pet Food Companyは1998年に設立、カリフォルニア州ラハブラに拠点を置いています。
  • 原材料にはすべて冷蔵保存されたフレッシュ素材(肉・野菜)を使用しています。
  • 原材料は人間の食品基準で厳選されています。
  • 原材料の産地(USA、カナダ、ニュージランド)を公開しています。中国産原料不使用。
  • 肉副産物・人工保存料・着色料は不使用
  • 小麦、大豆、コーンは不使用
  • 酸化防止剤には天然のハーブやビタミンEを使用しています。
  • ビートパルプには硫酸系の薬品が使われていません。甜菜から砂糖を抽出する際には圧力をかける方法が用いられています。
  • 製造はオソピュア ドライフードだけカナダ産でその他(アガリクス、フレッシュミックス、オソピュア犬缶)はアメリカ産です。製造工場については記載がありません。
  • 日本語公式サイトはありませんが、総輸入代理店はしっかりした作りのWebサイトを持っています。

参照:https://kmt-dogfood.com/
https://artemiscompany.com/


成分と肉含有量の分析

アーテミス アガリクス I/S 小粒・中粒は原材料だけで判断すると平均以上のドッグフードに見えます。

しかし、原材料の品質だけではなく、成分 (タンパク質・脂質・炭水化物) と肉の含有量も評価を下すために重要です。

ラベルの分析で乾物基準はタンパク質が27%、脂質が16%、推定炭水化物が51%と判明しました。

脂質とタンパク質の比率は約58%です。

一般的なオールステージ向けのドライフードと比較するとタンパク質は平均に近い、脂質は平均以上、炭水化物は平均以上。

えんどう豆、えんどう豆粉、亜麻仁で総タンパク質を増加させることを考えても、このドッグフードは適度な量の肉を含んでいるように見えます。

最終評価

アーテミス アガリクス I/S 小粒・中粒は動物性タンパク質の供給源として適度な量の鶏肉と七面鳥を使用した穀物を含むドライフードです。星5の評価を下しました。

とてもおすすめします。

アーテミス アガリクス I/S 小粒・中粒は生産元の公式サイトに存在しないのでおそらくPB商品です。そして総輸入代理店では全犬種と書いてありますが、正確には小粒=小型犬向け、中粒=中型犬・大型犬向けですね。原材料、保証成分値は同じです。粒のサイズだけ違います。

コンセプトは犬が本来持っている免疫力・自己治癒力を大切に考えたプレミアムフードとのこと。名前にもなっているアガリクス茸を配合したフードですね。ドッグフードでアガリクスは初めて見ました。

原材料はアガリクス以外だとプレミアムフードと呼ばれるものと大差ないように見えます。ハーブもパセリ程度でシンプルです。乾物タンパク質は26.6%で子犬にはちょっと低いかな?と思います。成犬、シニア犬では問題ないですけどね。子犬に食べさせる場合は、たまにトッピングとして少量のお肉や魚を乗せてあげてもいいかもしれません。

肝心なアガリクスはちょっと眉唾かな?と思います。エビデンスがないので信憑性がありません。ただ、このフードは食いつきが良さそうですね。多様な生肉と生魚、チキンスープ(加水分解タンパク)が入っていますから。

アーテミス アガリクス I/S製品はフレッシュ素材を使用し、肉副産物の不使用で原材料の産地を公開しています。アメリカ産なのは分かっていますが、工場について情報がありません。しかし、人間の食品基準で作られているので総合的に見ておすすめします。

グレインフリーと心臓病の潜在的な関係性

アメリカ食品医薬品局 (FDA) は2019年6月27日にグレインフリー (穀物を含まない) と拡張型心筋症との潜在的な関係について3回目の調査状況を発表しました。

詳しくは「FDAがグレインフリーと心臓病との潜在的な関連性を調査対象にする」をご覧ください。

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リコール等情報

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